酒井重工業<6358>は、長期にわたり安定的な経営基盤の確保に努めるとともに、配当についても安定的な配当の継続を重視し、業績と健全な財務体質に裏付けられた成果の配分を基本方針とし、配当政策と自己株式の取得を行っている。既述のとおり、中期的な株主還元方針としては、ROE3%未満の場合は配当性向100%、ROE3%~6%の間はDOE3%、ROE6%超の場合は配当性向50%の還元を行うとしている。また、自己株式の取得については、2026年3月期までに5~20億円規模を上限とした機動的な自己株式取得の実施を検討している。
上記の配当政策に基づき、2024年3月期の配当については、ROEが6.0%を上回る見込みであることから、公約どおり配当性向50%として、当初は年間配当を215.0円(中間90.0円、期末125.0円)としていたが、記述のように通期の業績が上方修正されたのに伴い、年間配当270.0円(中間90.0円、期末180.0円)へ増配することを発表した。このように、ROEの改善に向けて明白な資本政策を発表し、それに沿った株主還元を実行している同社の姿勢は、評価に値すると言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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