4. 収益性改善
外部環境の影響に関わらず、安定して収益をあげるための構造改革を実施することで、収益性を改善する。
具体的には各生産工場で重複していた機能などの統合による固定費率の改善、内外作区分の見直しを実施し一部部品の外注による工数削減の実現、IT導入による事業活動の効率化、棚卸資産の削減による資産効率の改善などによって2025年12月期に売上高営業利益率5%、ROE8%、営業キャッシュ・フロー600億円(5年累計)を実現する考えだ。
5. ESG
4つ目の取り組みはESGを念頭に事業を行っていくことだ。同社は、国内製造所の生産活動から排出されるCO2を2030年までに2013年度比で26%削減すること(2019年削減率は目標9%に対して実績が12%と目標を上回った)、国内売上高に占めるエコ商品比率を2030年までに50%以上に高めることを目標として設定していたが、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同したことを受けて、さらなる環境経営の推進を実施している。具体的には、グローバル生産拠点における生産活動から排出されるCO2を2030年までに2014年比で46%削減すること、国内売上高に占めるエコ商品比率を2025年までに65%まで高めることを計画している。環境経営の推進に加えて、事業を通じて「農業の強靭化を応援」「住みよい村や街の景観整備」「循環型社会を目指す環境保全」という3つの面からSDGsの実現に貢献する考えだ。
また社内活動においても、ワークライフバランスの充実やダイバーシティの確保などによって従業員のエンゲージメントを高めることを目標としている。
ESG投資は近年、頻発する自然災害、サプライチェーンにおける人権問題などを受け、機関投資家や個人投資家の間で急速に広まっている。こうしたなか、ESGを考慮しない企業活動を行っている企業は今後資金を調達することがますます難しくなると弊社は予想する。そういった意味でESGを念頭に事業活動を行っていくことは重要であると言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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