1. 2023年3月期の業績概要
藤商事<6257>の2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比17.8%増の34,869百万円、営業利益で3,876百万円(前期は698百万円の損失)、経常利益で4,066百万円(同599百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益で5,296百万円(同1,783百万円の損失)となり、各利益は2期ぶりに黒字転換した。コロナ禍でパチンコホールの減少傾向が続くなか、遊技機業界全体としては厳しい状況が続いたものの、同社においては複数の新規タイトルが想定を上回るヒットとなったことや、販売ミックスの改善効果等もあって会社計画を上回る好決算となった。
売上高の内訳は、パチンコ遊技機が前期比11.6%減の25,275百万円、パチスロ遊技機が同850.6%増の9,593百万円となり、パチスロ遊技機がけん引する形で3期連続増収となった。営業利益の増減要因を見ると、売上総利益の増加で4,794百万円、研究材料費の減少で893百万円、広告宣伝費の減少で19百万円の増益要因となり、人件費の増加992百万円、販売手数料の増加58百万円、その他費用の増加80百万円を吸収した。売上総利益の増加は数量増効果と売上総利益率の改善(前期44.3%→51.3%)による。売上総利益率が改善した要因は、販売ミックスの変化に加えて価格戦略に取り組んだことが寄与した。また、人件費増加分のうち40百万円強は2023年3月に実施したインフレ手当※の支給によるものとなっている。なお、親会社株主に帰属する当期純利益が経常利益を上回ったが、繰延税金資産の計上により法人税等調整額で2,022百万円を減算(増益要因)したことによる。
※物価高騰による従業員への家計への影響を緩和することを目的として、全従業員に一律10万円のインフレ手当を支給した。
なお、2022年3月期下期は半導体やコネクタなどの部材不足に起因した価格高騰が収益圧迫要因となったが、2023年3月期に入ってからは価格高騰も沈静化し、同社もコスト低減に取り組んだことから、生産や採算面においてマイナスの影響は受けず、一時サプライチェーンリスクに対応するため積み上げた部材の在庫も適正水準まで戻ったようだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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