産業システム事業では産業用の大型工業炉を、オーダーメイドで設計・製造する。世の中で使用されている様々な商品や製品については、強度を増したり、物性を変化させて安定させたりするために、いわゆる「熱処理」が施され、その品質が維持されている。同社は、これらの「熱処理」を行う工業炉をオーダーメイドで設計、製造する。工業炉には、金属を溶解する「溶解炉」、塗装を乾燥する「乾燥炉」、樹脂を硬化する「硬化炉」など、様々な種類がある。それらの工業炉を通じて、アルミ・ガラス・炭素繊維などの素材から、車やスマートフォンの部品などが作り出されている。
保守サービス事業は、同社の祖業のビジネス。工業炉のメンテナンスを始めたのが同社の出発点であり、そこで得たノウハウをもとに産業システム事業を立ち上げ、成長してきた。全国で500社、1,200を超える設備のメンテナンスを請け負っている。同事業は利益率が高く、景気に左右されにくいのが特徴。
24年7月期業績は、売上高は前期比2.9%増の2,450百万円、営業利益は同1.0%増の246百万円を計画している。今期業績は、ほぼ横ばい見通しも、中長期的には工業炉の省エネニーズなどで持続的な成長が期待される。工業炉は大量のエネルギーを消費するため、同時に多くの CO2 を排出する。日本の産業部門のエネルギー消費量のうち、工業炉が占める割合は約 40%と言われており、地球温暖化の大きな一因となっている。同社の顧客の中心である大手メーカーは、カーボンニュートラル実現に向け CO2 排出削減目標を掲げており、よりエネルギー効率の高い設備の導入を求めており、これらが同社成長のけん引役になると思われる。なお、28年7月期を最終年度とする中期経営計画は、売上高で3,250百万円、営業利益で430百万円となる。配当性向は30%以上が目標であり、現状の配当利回りは2.3%。
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