4. リスク要因と課題・対策
リスク要因としては製薬企業・研究機関等の新薬開発投資の動向、競合の動向、法的規制などが挙げられる。製薬企業・研究機関等の新薬開発投資の動向に関しては、2024年3月期に海外製薬企業を中心に抗B型肝炎ウイルス薬の開発中止が相次いで受託試験サービスの売上が大幅に減少し、リスクが顕在化した。これに対して同社は、抗B型肝炎ウイルス薬関連の需要は当面回復が見込めないことを前提として、戦略的に受託サービスから製品販売へのシフトを進めている。
同社のPXBマウスの競合状況としては、ヒト肝細胞キメラマウスを扱う企業は同社のほか、日本ではNOGマウスのインビボサイエンス(株)、米国ではFRGマウスのYecuris Corporationがある(同社調べ)。この2社の売上・生産状況は不明だが、同社によると現時点では特に競合激化の状況ではないようだ。また将来的にはAIをはじめとする新技術による新薬開発が動物を一部代替していく可能性がある。
為替変動リスクについては、同社の売上高の約8割(2024年3月期実績)が海外の製薬企業・研究機関等向けのため、為替変動の影響を受ける可能性がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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