冨士ダイス<6167>は株主還元策として連結配当性向50%を目途に適切な利益配分を実施してきた。2023年3月期は期初計画で据え置きの22円を見込んでいたが、旧大阪工場の遊休地売却により特別利益を計上しEPSが期初計画の41.41円から65.19円となり、配当性向50%を目途に年間配当を10円上乗せし32円を実施した。この特別利益がなくなることで2024年3月期期初予想では予想EPS44.87円に対し10円減配し年間22円予想としていた。また2024年3月期第3四半期決算発表時には業績予想の減額修正を行い、予想EPS33.73円予想となったものの、安定配当の観点で期初計画の22円予想を据え置いた。実際には2024年3月期はEPS35.72円に終わったが、75周年記念ということで特別配当10円を実施、安定配当を維持するとして普通配当22円は据え置き、結果として年間32円配当とし、2023年3月期配当32円を維持する形とした。
同社は新中期経営計画において配当政策について従来の配当の基準を配当性向50%からDOE(株主資本配当率)に変更、DOE4.0%を目途とすることとした。このため2025年3月期は8円増配の普通配当40円予定とし、PBR1倍割れとなっている現状なども勘案し、株主還元を大幅に強化することとした。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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