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2019/07/17 - 昭和鉄(5953) の関連ニュース。「熱」の技術を活かすモノづくりをコンセプトに事業展開! 地方証券取引所の上場銘柄は、全国的な「知名度」の低さなどから、東証銘柄の陰に隠れてしまいがちだが、そこにはキラリと光る優良な企業が多く存在する。福岡証券取引所の単独上場会社の会(通称:単場会)http://fse.irnavi.minkabu.jp/にもそんな魅力溢れる銘柄がある。この単場会銘柄企業のトップが、自身の言葉でビジネスモデルや成長戦略、経営課題などを語ってくれている。インタビュー記事からは、持続的成長を目指す各社の取り組み

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昭和鉄工 福田俊仁社長インタビュー

「熱」の技術を活かすモノづくりをコンセプトに事業展開!

 地方証券取引所の上場銘柄は、全国的な「知名度」の低さなどから、東証銘柄の陰に隠れてしまいがちだが、そこにはキラリと光る優良な企業が多く存在する。福岡証券取引所の単独上場会社の会(通称:単場会)http://fse.irnavi.minkabu.jp/にもそんな魅力溢れる銘柄がある。この単場会銘柄企業のトップが、自身の言葉でビジネスモデルや成長戦略、経営課題などを語ってくれている。インタビュー記事からは、持続的成長を目指す各社の取り組みが理解でき、思わず応援したくなるほどに熱い意気込みが伝わってくる。4年目となるこの単場会銘柄の特集をご覧になり、ポートフォリオの再検討に役立てていただきたい。

5953:昭和鉄工
代表取締役社長 福田俊仁氏

昭和鉄工 代表取締役社長 福田俊仁氏
 
 創業以来130年を超える歴史を誇る昭和鉄工 <5953> [福証]は、環境に配慮した「熱」の技術を活かすモノづくりを行っている。中期経営計画の進捗状況を踏まえた同社のビジネスにおける特徴やこだわり、ビジネスリスクなどについて福田俊仁社長が熱く語ってくれた。

【1】貴社の事業の状況について伺います。
3つのセグメント(機器装置・素形材加工・サービスエンジニアリング)で事業展開されていますが、それぞれの事業における状況はいかがですか? 業績を踏まえたご説明をお願いいたします。また、今後の見通しについてはどのようにお考えですか?

 2018年度の状況は機器装置事業において熱源機器が低調であったことと、サーモデバイス機器の出荷が一部次年度へ繰り越したことにより前年度を下回る結果となりました。素形材加工事業・サービスエンジニアリング事業は比較的堅調でしたが、カバーすることができず全体で前年度比、減収・減益となりました。

 しかしながら、空調機器はオリンピック・パラリンピック関連事業が東京を中心として活況であり、2019年度は多くの受注残を持ってスタートできました。熱源機器も受注残は増加しております。ただし、サーモデバイス機器は2019年度売上が下期に集中しており、全体として上期は厳しいと予想しています。対策として、今年度より子会社の昭和ネオスを吸収合併し、営業とサービスの一体化を行いました。これにより顧客接点力の強化が図られ、下期以降に効果が出て通期では目標達成できるものと考えております。

【2】創業以来、「熱」の技術を活かすモノづくりをコンセプトに据える貴社のビジネス展開についてお話しください。
昨年のお話では、熱技術のビジネスの広がりを、社会的ニーズに合致させて推進されていることを伺いました。この事業におけるこだわりと新規ビジネスの可能性についてお話しください。

 当社は1913年に業務用ボイラーの実用化に成功してから熱技術をコア技術として事業を営んでおります。熱技術には伝統的な燃焼による熱がありますが、大きな熱を瞬間的に得ることができるという特長があり、他の熱源では代替が困難なものです。当社としても基本性能が満足できるものであることは当然ですが、廃熱回収機能や高効率化を追求しなければなりませんし、排ガスの清浄度や燃焼音の低減など取り組むべき課題はたくさん存在します。

 近年ではヒートポンプの熱技術を使ってお湯をつくるエコキュートも注目されております。これは燃焼の熱に比べると瞬発力がない代わりに経済性に優れ、環境にも優しいという特長があります。当社ではその両方の熱技術製品を自社で設計・製造・販売しておりますので、お客様の状況に合わせて、お互いの良いところを組み合わせた理想的な最適システムを提案していきたいと考えております。

 また、ヒートポンプの熱技術は空調機器にも展開しており、特にビル用の外気処理機に使用されております。一般のビルでは一定量の新鮮外気を取り入れることが義務付けられているため、その外気分だけ空調された室内空気がそのまま排出されています。その排出される室内空気から熱を回収し、温度だけでなく湿度も調整して新鮮外気に戻すことで、当社の外気処理機だけでなく、室内のエアコンもエネルギーの削減が可能となります。この技術を使った製品が平成30年度の省エネ大賞の最高賞である経済産業大臣賞を受賞することができました。

 もう一つの熱技術は電気ヒーターです。当社の低温用電気ヒーターは、薄型で昇温速度が速く、温度の均一性に優れるといった特長があり、その特長を活かして液晶・有機ELの熱処理炉や半導体装置などにも採用されております。また、高温用電気ヒーターは自動車の板金プレスの熱処理炉に採用されております。

 これら熱技術の展開は、単独またはそれらの組み合わせにより無限ともいえる可能性を秘めており、市場も国内外問わず展開可能と考えております。当社はこれからも熱技術を追求し、お客様の課題解決を提案してまいります。
 

 
【3】中期経営計画の進捗状況について伺います。
「本業回帰で筋肉質な企業体質を実現する!」を目標に掲げる中期経営計画が、2019年度で最終年度となります。3つの重点課題「事業の選択と集中」、「差別化新製品の開発」、「固定費の最小化」について、ゴールに向けての取り組み状況はいかがでしょうか?

「連結売上高120億円以上、安定的に連結売上高営業利益率4%以上を実現する」という数値目標を掲げて2014年にスタートしました。売上高は2016年度以降毎年120億円を超えることができ、2019年度も大きく上回る計画としております。しかしながら営業利益率は2016年度には達成したものの、まだ安定的に達成している状況ではありません。今年度は中期経営計画の最終年度であり、数値目標達成はもちろんですが、今後成長できる体制が必要と考えます。そのために「事業の選択と集中」として今年度から子会社の昭和ネオスを吸収合併し、営業とサービスの一体化で顧客接点力の強化を目指す体制としました。「熱とサービスでライフサイクル型ビジネスモデルを目指す」を合言葉に成長を目指します。さらに省エネ大賞を受賞した「リタンエアデシカント外気処理機ラデック」は「差別化新製品」の最たるもので、この製品を中心としてヒートポンプ式の空調製品を拡販していきます。

【4】経営のリスクについてお話をお願いします。
貴社のビジネス展開におけるリスクは何でしょうか? また、想定されるリスクがどのように業績に影響するとお考えでしょうか?

 当社がこれまで比較的好調に来ているのは、中国を中心とした液晶・有機ELなどへの投資が盛んであることが一因です。投資が一巡したときの各社の対応が大きなリスクとなります。さらには米中の貿易摩擦の影響は不安要素と言わざるを得ません。当社としましては、中国市場が中心の液晶・有機EL以外で、グローバル市場をターゲットとした自動車、半導体、その他の業界への展開を急ぐことでそのリスクに備えております。

 また、当社が長年販売しているボイラーや空調機器は非常にたくさんのお客様にご使用いただいております。そのお客様が安全に、快適に、経済的にも喜んでご使用いただくためにサービスエンジニアリング事業と製品の製造・販売との連携を強め、IoT技術も加えてより良い提案を行っていくことで伝統的なコア事業の安定化を図ってまいります。

【5】最後に、投資家に向けてお話をお願いします。
さまざまなステークホルダーと関わりながら事業展開を推進されている貴社では、投資家に対してどのようなコミットが可能でしょうか? 貴社のコーポレートガバナンスやコンプライアンス、経営理念に絡めた上で、具体的なお話をいただければ幸いです。

 当社の企業理念として「社員の誇りと幸せ」「顧客の満足と信頼」「社会への貢献」を掲げ、それらを継続的に行っていくために「適正利益の追求」を挙げておりますが、社会貢献に関して当社はまだまだ充分とは言い難いと考えておりました。

 そこで今回、省エネ大賞の最高賞を受賞させて頂いたのを契機に、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みをホームページ上で宣言しました。以前から取り組んでいたことも含め、今後SDGsの特に10項目に注力しながら製品開発やCSR活動を進めていくことをコミットし、社会貢献してまいります。

 また、今年度当社の1936年製ボイラーが建築設備技術遺産に認定されました。当社の強みは歴史に裏打ちされた技術と信頼性であると考えます。それは先輩方から受け継いだ財産であり、それを基に我々は現在の技術を研鑽(けんさん)し、さらに成長させて次世代へ受け渡していくことが責任であると考えます。「伝統」と「革新」の技術を社内外にアピールしていくことによってステークホルダーの皆様の期待にもお応えしていけると考えております。
 

 
【自社アピール】
 当社の創業は1883年(明治16年)まで遡り、今年で136年目を迎えます。創業者の斎藤一は当時、九州にはまだ電気もガスも無い時代に電気工学や機械工学を学び、福岡の地に斎藤製作所を立ち上げました。まもなく九大病院の前身である県立福岡病院院長の大森博士と出会い、医療用蒸気消毒器の開発・製造を開始し、蒸気という熱技術を手に入れました。また、同病院の暖房器としてそれまで欧州にしかなかった鋳物製のラジエータを国産化したことにより、鋳物の製造技術を手に入れました。

 1913年、斎藤一は今でも主力事業のひとつになっている国産初の鋳鉄製ボイラーの実用化に成功します。また、彼の甥である斎藤省三は東京で暖房工事・管工事を学び、現在の空気調和・衛生工学会である暖房冷蔵協会を設立しました。「業界の向上発展のため関係者が各個の利己を超え団結すべき」と考えてのことでした。2人とも当時の思いは「国の発展のため」という民間企業の価値観には収まらないものでした。

 以降も当社は「熱」と「鋳物」に関連した事業を展開し、現在でも製品や技術の原点となっています。

 当社の製品・サービスと顧客・取引先の信頼は、先人たちが築き上げ、私達に託してくれた大きな贈り物です。私達はそれを謙虚に受け止め、現状に満足することなく、さらに大きく育てて次世代に譲り渡すのが使命だと考えます。創業者たちの思いをもう一度噛みしめる意味でも、現在の中期経営計画では「本業回帰で筋肉質な企業体質を実現する!」を掲げて取り組んでいます。

 私達の歴史は「熱」と「鋳物」へのこだわりでしたが、実際にはその都度、苦難を乗り越えるための変化も必要でした。「原点回帰」を強力に推し進めながらも、次のステップへの成長のためには大胆な変化もいとわない覚悟です。

 これからの昭和鉄工に是非注目していただきたいと思います。

●資料請求・問い合わせ先
昭和鉄工株式会社 総務部
〒811-2101 福岡県糟屋郡宇美町宇美3351-8
TEL:092-933-6391 FAX:092-933-6395
Email:showa@showa.co.jp
http://www.showa.co.jp/

配信元: みんかぶ株式コラム

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