来週の新興市場はもみ合いか。今週、東証は2025年3月から東証プライム市場に上場する全約1600社に重要情報の英文開示を義務づけると伝わった。まず決算情報などを対象とし、日本文と英文の同時開示を求めるとのことだ。上場規則を改定し、海外投資家が判断しやすい環境を整えるようだが、まずは東証プライム市場から行うことから、東証プライム市場中心の相場展開は続くと考える。昨年12月18日には東証がグロース市場に対する具体的な施策も発表してはいるものの、今のところ市場関係者の関心は限定的なようだ。東証プライム市場優位の地合いが続くことで、相対的に東証グロース市場は弱含む展開が想定される。また、週明けには日本銀行金融政策決定会合が開催される。コンセンサスは「金融政策の正常化」は先送りされ目立った話は無いとなっているが、サプライズがあった際、市場の関心は為替動向や輸出関連銘柄など大型株に向かいやすい。やはり東証グロース市場は話題の対象外となりそうだ。
■日計り物色の相場展開が想定
来週の物色の対象は、引き続き短期資金が向かいやすい材料銘柄中心の相場展開となろう。主力銘柄に資金は向かいにくく、資金の流出入も早いことから日計り物色の相場展開が想定される。とりわけ売買代金100億円超えが続いているQPS研究所<5595>、ispace<9348>、INCLUSIVE<7078>など宇宙ビジネス関連銘柄は、週末にJAXAの小型月着陸実証機「SLIM」が月への着陸に成功したことから関心は高まりやすい。また、直近IPOの雨風太陽<5616>はポジティブな材料も発表し物色されていたことから賑わいそうだ。一方、今週買われていた銘柄は利益確定売りが入る可能性が高い。新興市場でゆったりと腰を据えた投資は難しい地合いだ。
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