1. 事業環境
国内中古車流通市場の動向は、自動車メーカーの不正認証問題などを背景に不透明感があるものの、新車の生産・販売が徐々に正常化に向かっていることに加え、新車ディーラーなどによる中古車販売重視戦略へのシフト、リース車両の出口としての中古車販売ニーズの高まりなどにより、おおむね堅調に推移することが予想される。また近年では高機能化を背景に新車の価格が上昇傾向であるため、中古車ニーズが一段と高まりそうだ。そうした状況のなかでオークション取引のWeb化の流れも加速している。物流2024年問題で輸送キャパシティの減少が予想されているが、「ASワンプラ」のようなWeb取引を利用したシンプルな輸送形態に対するニーズが強まる。さらに、2024年10月から導入されるOBD車検※によって検査の高度化・情報化が図られ、中古車のEC取引に対する不安が緩和される。中小規模の中古車取扱業者を中心に、低コストのワンプラ取引(車両価格によらず取引1台ごとの手数料で売買できる取引)に対するニーズが高まっていることも、同社にとって追い風になると弊社では考えている。
※On Board Diagnostics(車載式故障診断装置)を使用する自動車検査のことで、自動ブレーキや駐車支援システムなど自動車に内蔵した電子制御システムが正しく動いているかを検査し、誤作動による事故・トラブルの発生を防ぎ安全・安定を図る検査。)
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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