日新製鋼、3Q累計は増収増益で着地 国内外の鋼材需要が堅調に推移
2017年度第3四半期 決算説明会
三宅康秀氏(以下、三宅):日新製鋼株式会社 財務部長の三宅です。これより2017年度第3四半期決算の概要についてご説明いたします。
弊社ホームページに掲載されています決算説明資料に基づいて、ご説明をいたします。
2017年度第3四半期決算①
まず、2017年度第3四半期決算の概要です。3ページをご覧いただければと思います。
第3四半期の概況について、ここに記載されているところを少し読みあげます。
当第3四半期の連結売上高は4,600億円、連結経常利益は175億円と、対前年同期比で783億円の増収、152億円の増益となりました。
企業収益の回復を背景とした設備投資の増加などにより、国内の鋼材需要は堅調に推移、海外の鋼材需要も先進国を中心に好調に推移する展開となりました。
この堅調な鋼材需要を背景に、原料価格上昇に伴うコストアップについて、お客様のご理解を得ながら販売価格に反映させる活動に努めました。
生産面におきましては、引き続き、品質の維持向上および安定供給を最優先とすべく、操業の安定化に注力してまいりました。
実力ベースの経常損益については、3Q累計で、減価償却方法の変更による約40億円の減益等のマイナス要因があったものの、グループ会社の増益等により84億円を計上。また、決算ベースの経常損益においては在庫評価益プラス91億円により、175億円を計上いたしました。
ステンレスに関しましては、実力ベースで27億円、決算ベースでは在庫評価益プラス37億円により、64億円の経常利益を計上いたしました。
2017年度第3四半期決算②
それでは決算の詳細ですが、4ページです。
4-12月期の累計、(表の)e列を中心にご説明いたします。
まず、繰り返しの部分ですが、売上高は4,600億円。営業利益が170億円。経常利益につきましては、普通鋼・特殊鋼で111億円、ステンレスで64億円、合計で175億円。前年同期との比較におきまして152億円の増益。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は105億円。こちらも前年同期比で103億円と大幅な増益となっています。
また、在庫評価が原料価格上昇の影響により、91億円と大きくプラスになった結果、実力ベースの経常利益につきましては84億円。前年同期と比較いたしまして、26億円の増益となりました。
2017年度第3四半期諸元
次に5ページの第3四半期の諸元です。こちらも決算と同様、3Q累計(e列)を中心に、ご説明をいたします。
まず、粗鋼生産量は、普通鋼・特殊鋼で212万トン。ステンレスで50万トン。合計で262万トン。前年同期と比較いたしまして、10万トンの減となっています。
一方、販売数量につきましては、普通鋼・特殊鋼262万トン。ステンレスで41万トン。合計で267万トン。前年同期比で3万トンの販売増となっています。
鋼材平均単価につきましては、原料価格の販売価格への転嫁を進めた結果、12万8,000円。前年同期の10万7,000円に対しまして、2万1,000円の価格増となっています。
また、輸出比率につきましては、13パーセント。第3四半期累計での為替レートにつきましては、112円となりました。
経常利益差異内訳①
それでは6ページ以降、経常利益の差異の内訳です。
下の表の部分で説明いたします。2016年度第3四半期実績23億円に対しまして、足元の第3四半期累計は175億円。変動要因は計152億円の増益でした。
内訳といたしましては、販売関連で430億円のプラス、購買関連で420億円のマイナスとなっています。
変動要因を記載していますが、輸出・輸入の為替差損、合わせてマイナスの35億円。こちらは、為替レートが前年同期106円から足元112円に変動したことが要素となっています。
また、数量構成差はプラス15億円。それ以外の販売購買の価格差は差引でプラスの30億円となっています。
原料価格の明細は変動要因に記載していますが、内油類はマイナス20億円。その他はマイナス50億円ということで、いわゆる副原料のところで70億円の原料価格のアップとなっています。
次にコスト等ですが、こちらはマイナス39億円。減価償却方法の変更のマイナス40億円が大きな要因です。
一方で、子会社等につきましては、海外関連会社等の貢献もあって、55億円のプラス。また、原料価格の上昇にともなう在庫評価も126億円のプラスとなりました。
貸借対照表(2017年12月末)
次に7ページの貸借対照表です。
まず、資産の合計ですが、7,095億円ということで、17年3月末から31億円と、若干ですが、増加しています。
主な内訳を記載していますが、有形・無形固定資産で78億円の増加となっています。
また負債の側では、有利子負債が2,349億円ということで、100億円の有利子負債の削減。
純資産の部分では、利益剰余金が873億円と、102億円の増加ということで、3Qまでの親会社株主純利益プラス105億円、配当マイナス21億円が、その主な内訳となっています。
2017年度業績予想①
それでは、続きまして、2017年度の業績予想について、8ページの概況のところから説明をいたします。
通期の連結業績は、今後の不確定要素はあるものの、売上高は6,150億円、 経常利益は180億円と、対前期比で895億円の増収、121億円の増益を見込んでいます。
本業績予想は、減価償却費の変更により、年間で約50億円のコスト増を含んでおり、実質的には対前期で約170億円の経常利益増益となる見込みです。
一方で、足元の急激な主原料価格上昇による販売価格への転嫁遅れ。後ほど、ご説明いたしますが、約50億円ほど翌期にずれ込むと見込んでいます。
また、原油等の副原料高騰によるコストの圧迫等もあり、対前回予想比で当下期の実力ベースマージンは縮小する見込みです。今後は、新日鐵住金との戦略共有を進めつつ、引き続き、お客様のご理解を得ながら販売価格に転嫁する活動を進めていきたいと考えています。
生産面につきましては、足下の堅調な鉄鋼需要を着実に捕捉するため、安定的な供給を最優先とした設備稼動を継続。普通鋼・特殊鋼については、慎重な操業を継続するとともに、高炉の安定化を目的とした補修等を計画に沿って進めていきたいと考えています。
ステンレスにつきましては、周南製鋼所における製鋼工程の初期トラブルの影響等は解消してきているものの、品質と安定供給を最優先とした生産および品質の改善活動を重視した結果、ならびに新設備の償却負担等により、足下ではコスト高の状況となっています。今後、新日鐵住金とも連携しつつ、コスト改善に尽力していく次第です。
2017年度業績予想②
それでは業績予想、損益の数字です。9ページですが、2017年度予想覧、c列を中心にご説明をいたします。
売上高が6,150億円。営業利益は175億円。経常利益につきましては、普通鋼・特殊鋼で110億円、ステンレスで70億円、合計で180億円。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては100億円ということで、2016年度との差異ですが、右側の「差異」の②ですが、経常利益で121億円、当期純利益で84億円のプラスとなっています。
一方、3Qと同じ傾向ですが、在庫評価につきましては120億円(の予想)と、こちらが前年同期との比較で130億円と、大幅なプラスとなっています。
この結果の実力ベースですが、普通鋼・特殊鋼につきましてはプラス40億円、ステンレスではプラス20億円、合計で60億円となっています。なお、先ほどのところでも、ご説明をしましたように、4Qの原料価格上昇に伴う販売価格の転嫁ズレは、普通鋼・特殊鋼で20億円、ステンレスで約30億円ほどになります。
2017年度業績予想諸元
次に、10ページの(予想)諸元です。こちらも、c列をご説明いたします。
まず、粗鋼生産量ですが、普通鋼・特殊鋼で280万トン、ステンレスで66万トン、合計346万トン。前年との比較で、14万トンの粗鋼減となっています。
販売数量につきましては、普通鋼・特殊鋼で301万トン、ステンレスで57万トンの、合計358万トン。前年と比較いたしまして、3万トンの販売数量減となっています。
鋼材平均単価につきましては12万7,000円。2016年度の10万9,000円に対しまして、1万8,000円のプラスとなっています。また、輸出比率につきましては14パーセント、輸出為替レートにつきましては112円という見通しです。
経常利益差異内訳②
それでは、経常利益の差異の内訳について、11ページ以降でご説明をいたします。
まず、2017年上期実績に対する、下期の予想の比較です。2017年度上期実績の148億円に対しまして、下期予想は32億円。変動予想といたしまして、マイナスの116億円となっています。
内訳は、販売関連でマイナスの70億円、購買関連でゼロということで、こちらも変動要因に記載していますが、輸入為替差がマイナスの15億円、数量構成差がプラス5億円、それ以外の販売・購買の価格差がマイナス60億円となっています。
また、コスト等でプラスの4億円。子会社等につきましては、上期から下期につきまして、海外の関連会社等のマイナスもありまして、マイナス10億円。在庫評価差につきましては、マイナスの40億円となっています。
経常利益差異内訳③
次に12ページの、2016年度通期に対する2017年度予想の差異です。
2016年度通期実績の59億円に対しまして、2017年度予想は180億円。変動予想は121億円です。まず、販売関連でプラス495億円。購買関連でマイナスの510億円ということで、販売・購買関連でマイナスの15億円となっています。
変動予想、こちらも輸出入の為替差、前年度108円から112円に円安になったということで、差し引き40億円のマイナス。また、数量構成差につきましてはプラスの20億円。それ以外の価格差につきましては、プラス5億円となっています。
このうち購買関連のところ、変動要因で記載していますが、油類でマイナス35億円、その他でマイナス55億円ということで、主原料以外の副原料がマイナスの90億円となっています。
次にコスト等ですが、マイナスの59億円ということで、今年度については減価償却方法の変更の影響で50億円のマイナス、また電力単価差のマイナス20億円が大きなマイナスの要素となっています。
一方で、子会社等につきましては、海外の関連会社等が好調であったことでプラスの65億円。在庫評価につきましても、前年度からの原料価格の上昇に伴い130億円のプラスとなっています。
経常利益差異内訳④
次に、13ページ。10月公表(予想)との差異です。
10月公表から、経常利益額180億円は変更しておりませんが、内訳が変動しています。
まず、販売関連でプラス25億円、購買関連でマイナスの65億円ということで、販売・購買でマイナスの40億円。内訳といたしましては、為替差でマイナスの15億円、数量構成差でマイナスの10億円、それ以外の価格差でマイナスの15億円ということで、こちらも、年度(差異)のところでもありましたように、油類・その他を含めるとマイナス30億円と、主原料以外の原料価格も大きくマイナスとなっています。
一方で、子会社等につきましては、海外の関連会社等のプラスが20億円ほどありました。また、4Qからの原料(価格)の上昇に伴って、在庫評価もプラスの20億円としています。
剰余金の配当
次に、14ページ。剰余金の配当ですが、期末の配当につきましては、足下の見通しの利益を勘案して1株あたり10円。年間配当で1株あたり25円を予定しています。
以上で、私からの説明を終了いたします。
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