「鉄鋼」関連が18位、バリュー株物色の流れで急浮上へ<注目テーマ>
1 アンモニア
2 全固体電池
3 半導体
4 水素
5 再生可能エネルギー
6 2020年のIPO
7 旅行
8 人工知能
9 デジタルトランスフォーメーション
10 仮想通貨
みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「鉄鋼」が18位となっている。
ここにきて、米国を筆頭にワクチン普及を背景とした新型コロナウイルスの収束が意識されている。世界経済の復元に伴い、株式市場でもこれまで売り込まれた景気敏感株に物色の矛先が向いている。象徴的なのは米長期金利の動向で、米10年債利回りの上昇傾向が顕著となり、直近では昨年のコロナショック以前の水準である1.6%台まで浮上してきた。ハイテク関連などのグロース株には逆風となっているが、その一方でPBRなどの指標面で1倍を下回るバリュー株への見直し買いを誘っている。21年3月期の業績悪は既に株価には織り込まれ、足もとでは22年3月期に回復が見込めれば良しとするムードが漂う。
そうしたなか、鉄鋼株などはそのバリュー株物色の対象として注目度が高まっている。ちなみに日本製鉄<5401.T>の21年3月期は最終損益段階で1200億円の赤字が見込まれている。依然として収益環境は厳しく、今月5日には高炉休止や1万人規模の人員合理化を含めた5年間の経営計画を発表したが、株式市場では逆にこれが株高を助長する方向に働いている。日本製鉄のPBRは0.6倍台に過ぎず、ここにスポットが当たり始めた。
また、世界的な「脱炭素」への取り組みが加速するなか、鉄鋼業界もこれに追随する動きをみせている。電炉では再生可能エネルギー由来の電力の使用や高炉メーカーもスクラップ利用を増やしてコークスの使用量低減などに取り組んでいる。これまでESG投資の観点から、高水準の二酸化炭素を排出する鉄鋼業界は世界の機関投資家の投資対象として不利な面もあったが、それも徐々に解消される方向にある。
関連銘柄では、日本製鉄、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411.T>、神戸製鋼所<5406.T>など大手高炉メーカーのほか、電炉首位の東京製鐵<5423.T>や、合同製鐵<5410.T>、東京鐵鋼<5445.T>、共英製鋼<5440.T>、大和工業<5444.T>、大同特殊鋼<5471.T>、山陽特殊製鋼<5481.T>なども注目される。
出所:MINKABU PRESS
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