顧客のオフィスの移転や改装のニーズに対し、オフィス空間のデザイン等を行うブランディング事業を柱として、ワークプレイス構築DXツール「ワークデザインプラットフォーム」や、フレキシブルオフィス「The Place」等も併せて展開することで、新しい働き方を経営課題とする顧客に最適なソリューションを提供し、企業価値向上を図る。IT企業を中心にベンチャー企業をはじめとする中小企業から大手上場企業までを幅広く展開している。オフィスデザインの件数・単価・受注率をKPIとしており、特に単価と受注率の向上に注力している。
24年3月期の売上高は、前期比8.9%増の14,399百万円、営業利益は、同19.1%増の1,523百万円で着地して3期連続増収増益となった。通期の受注高は144億円を超えて過去最高を更新、プロジェクトの大型化によって中規模から大規模案件が堅調に増加したようだ。主力のブランディング事業で新規顧客の獲得および既存顧客へのフォローを継続したことが要因となった。第4四半期のプロジェクト単価は3,200万円(前年同四半期は2,373万円)、受注率は72.7%(同70.3%) と第4四半期として過去最高を記録した。25年3月期の売上高は同4.4%増の15,027百万円、営業利益は同2.3%増の1,599百万円と増収増益見通し。
同社は、中期経営計画を開示しており、2031年度には売上高250億円、営業利益25億円を掲げている。コロナ禍を経て、社員が気持ちよく働く環境としてオフィスデザインを重視する企業が増加しており、ワークプレイス構築の需要は2024年以降も続く。特に同社では、高成長企業を中心に高いリピート率を維持するとともに、大手企業にも顧客基盤を拡大しており、プロジェクト単価が今後も向上する可能性がある。2021年から2023年の新規IPO企業全301社のうち、クライアント数は74社と約25%を占めている。株主還元は24年3月期より20%から30%に配当性向の方針を引き上げ、配当利回りも3.5%と高い。豊富なキャッシュを活かしてM&Aの実施も検討しており、業績の底堅い成長が続くなか、同社の今後の動向に注目しておきたい。
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