<話題の焦点>=出遅れ高ROE「神7」、ガバナンス強化で見直し機運に乗る
日本版スチュワードシップコードの導入に加え、今年6月からのコーポレートガバナンスコード導入でさらにその流れが強まった。その際、重要な鍵を握る指標となるのがROEだ。
かねてから外国人投資家が個別銘柄選別の根拠として重視している指標だが、高ROE銘柄の宝庫である「JPX日経400」を日銀のETFやGPIFが有力な買い対象としたことで、市場では“高ROE礼賛”ムードが漂っている。
ROEは、一株利益を一株純資産で除して算出する指標であり、株主資本利益率とも呼ばれる。企業の収益力を図るモノサシの一つで、投資家などが出資した株主資本を元にどれだけの利益を生み出しているかを表し、この数値が高ければ、資産を有効に使っている証となる。ROEを高めるためには、最終利益を伸ばすか自己資本を小さくするかの2つの選択肢がある。
ただ、ROEが高いということだけで「優良企業」の評価を得られるというものでもない。なぜなら、過小資本であれば、それだけで必然的にROEは跳ね上がるからだ。そこで、一株純資産と株価との関係で、割安に放置されている低PBR銘柄の抽出が有効となる。
通常、ROEが高ければPBRも高くなりやすい。逆に言えばROEが高いのに、PBRが低い企業は評価不足の典型、言い換えれば株価面で見直し余地が大きいということになる。
別表は高ROE・低PBR2つの条件を満たし、今3月期2ケタ以上の営業増益が見込まれる最強7銘柄をピックアップしたもの。いわばコーポレートガバナンス相場の落とし子「神7」の株価動向に要注目だ。
◆コーポレートガバナンス相場の「神7」
銘柄<コード> 増益率 ROE PBR
ニチレキ<5011.T> 11.6 29.3 0.73
有沢製<5208.T> 12.4 11.0 0.77
大紀アルミ<5702.T> 36.4 10.1 0.78
ペガサス<6262.T> 16.1 14.4 0.79
明和産<8103.T> 13.9 10.5 0.69
グランディ<8999.T> 11.8 10.9 0.69
JKHD<9896.T> 15.4 11.1 0.59
(単位:%、倍)※PBRは6月11日現在
出所:株経通信(株式会社みんかぶ)
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