1. 背景・狙い
日本国内では2025年までに70歳(経営者の平均引退年齢)を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人となり、うち約半数の127万人(中小企業全体の1/3)が後継者未定という現実があります(*1)。今後、中小企業等の休廃業が急増することで、地域産業の持続的発展が困難になるとの懸念も指摘されています。昨今、これらの状況を解決するために、政府も中小企業の事業承継を後押ししていますが、後継者不足の抜本的な解消はまだ途上にあります。
一方で、農業をはじめ地域産業は生産性の課題もある中で、いかに地域産業の魅力を高められるかが重要となっております。地域産業の魅力を高めることは、課題である事業承継を促進し、その結果、地域の事業及び雇用が維持・継続され、地方創生や地域産業の持続的発展に寄与していくものと考えております。
このような考えのもと、当社は、TGH社が有するABL(Asset Based Lendingの略称、動産・債権を担保とする融資手法)(*2)に関する豊富な経験とノウハウ、日本全国の147金融機関との強固なリレーションと、当社が培ったデジタルテクノロジー(AIや検索、チャット等)、自治体ネットワーク、人材活用のノウハウ等を融合することにより、農業をはじめ地域産業の魅力を高め、事業継承に悩みを抱える全国の中小企業の存続をサポートすることで、各地域に貢献する様々な事業の展開を実現してまいります。
今回の当社とTGH社の取り組みは、生産力の低下や過疎化が懸念される地方経済に楔(くさび)を打ち込み、具体的な解決に当たっていく起点となります。これから共同で展開する農業を中心とした地方創生の様々な取組みはSDGsの推進にも大きく貢献するものであり、ESG(環境・社会・ガバナンス)投融資の対象にもなる事業であります。
地方創生、そして地域産業の持続的発展を後押しするため、当社が強みとするデジタルテクノロジーのみならず、自治体や地域銀行との強固なリレーションによる全方位的な解決策を、当社とTGH社のそれぞれの強みを生かした共創により行ってまいります。
(*1) 出典:ニッセイ基礎研究所 中小企業の「2025年問題」~根深い事業承継問題~
(*2) ABLについて
ABLは、企業の事業資産に着目し、企業が保有する在庫や機械設備、売掛債権を担保として融資を行う手法です。企業にとっては、ABLの利用により資金調達の多様化、円滑化を図ることが可能となります。金融機関はとっては、在庫等の事業資産を担保活用することで企業の事業性を深く理解し、よりきめ細やかなアドバイス等を行うことが可能となり、企業との緊密な関係構築に繋がります。
2. 資本業務提携会社の概要
3. 合弁会社の概要
4. 今後の見通し
本提携による当期連結業績に与える影響は軽微であります。今後開示すべき事項が生じた場合には、改めてお知らせいたします。なお、合弁会社の詳細については本提携を推進する中で定める予定です。
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