第3次中期計画の成果を踏まえた、第4次中期経営計画の方針として、SBテクノロジー<4726>は高い技術力を維持し、それを武器にクラウド・セキュリティに注力する。ソフトバンクグループの一員として日本のDXを推進するため、グループ企業とのシナジーが大事になってくると理解している。また、サステナビリティやガバナンス・持続可能性を意識し力を注ぐことが、同社の存在意義、ポジションだと理解している。
第4次中期経営計画の経営指標は2025年3月期の営業利益を80億円とした。営業利益率は現在の7%台から、9%台まで引き上げる計画である。そのうえで、カギとなるクラウド・セキュリティ&サービスの売上高目標を500億円超としている。
重点テーマとして、「押し上げる力」「引き上げる力」「推進させる力」を掲げている。「押し上げる力」では、今後顧客のDXを推進するにあたって、まずクラウド・セキュリティの運用・サービスを中心としたインフラ支援を行っていく。「引き上げる力」では、今後セキュアなインフラ上で顧客自身によるデータを活用したDXの自走化が必要になってくるとして推進する。「推進させる力」では、顧客のDXを実現・継続していくための人財をコンサルティング及びIT教育で支援する。
同社は現在9県とその市町に情報セキュリティクラウドを提供し、数百のエンタープライズ企業にマネージドセキュリティサービスを提供している。いずれもセンターにおいて24時間365日体制で監視し、AIなども用いて解析している。特に自治体セキュリティクラウドの場合は、SOC(セキュリティオペレーションセンター)だけではなく、NOC(ネットワークオペレーションセンター)も預かっており、これをベースにDXを推進する。また、農林水産省で3,000件の紙の申請のうち2,500件をわずか3年で、しかも省の職員の力によって作り上げることができたという事例があり、これから他自治体でも同様に実績を拡大していくと予想している。
また、2022年7月19日にModis(株)とエンジニア採用、人財開発の領域で業務提携契約を締結した。提携により、事業に即した教育研修を受けたModisのITエンジニアを、同社に供給するスキームを構築する。これにより従来の採用活動に加えて、即戦力のITエンジニアの確保が可能となり、これまで以上に優秀なITエンジニアの採用強化を目指す。Modisは、若手エンジニアの育成機会の創出のみならず、今回の取り組みを通じて得た新たな採用ノウハウや人財開発の知見を他事業へも提供し、HRコンサルティング領域での実績拡大につなげていく考えである。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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