バイオ後続品事業は、富士製薬工業<4554>と持田製薬<4534>による好中球減少症治療薬「フィルグラスチムBS」に続く品目として、三和化学研究所と共同開発を行っていたダルベポエチンアルファバイオ後続品が、同社によって2019年11月27日より販売開始された。今後、同製品の売上高に応じたロイヤリティを受領する。さらに、同12月に癸巳化成とアフリベルセプトバイオ後続品にかかる共同開発契約の締結に至り、開発をスタートさせた。また、千寿製薬と共同開発を行っている眼科治療領域のバイオ後続品は、2020年2月に国内における第III相臨床試験の最終患者の観察期間が終了した。
バイオ新薬事業は、次世代型抗体医薬品等の研究開発を進めた結果、2020年1月に、がん細胞内侵入能力を有する抗体を用いた抗がん剤の開発を目的として札幌医科大学との共同研究契約、同じくがん細胞殺傷効果を有する新たな抗体の取得を目的としてMabGenesisとの共同研究契約をそれぞれ締結した。
新規バイオ事業は、セルテクノロジー及び日本再生医療を完全子会社化し、その両幹細胞を活用したプロジェクトの推進、アカデミア及び企業との共同研究または提携を推進している。歯髄幹細胞は、昭和大学と骨関連疾患、岐阜薬科大学と眼関連疾患、東京都医学総合研究所・名古屋大学医学部付属病院・東京医科歯科大学と脳性麻痺、大分大学と末梢神経麻痺、名古屋大学と脊髄損傷に関する共同研究契約をそれぞれ締結した。加えて、2019年5月にはORTHOREBIRTHと口唇口蓋裂の治療法創出に向けた共同研究開発契約、2020年3月には持田製薬との腸管神経節細胞僅少症等の消化器領域における希少疾患・難病に対する再生医療等製品の共同事業化契約を締結した。心臓内幹細胞は、これまで資本提携関係にあった日本再生医療を完全子会社化することで、小児の重篤な心臓疾患である機能的単心室症を主な対象とした再生医療等製品の開発品(開発番号JRM-001)を同社のパイプラインに加えた。また、ニコン<7731>との業務提携に基づき開発中であった、歯髄幹細胞を再生医療等製品として製品化するための基となるマスターセルバンク(MCB)製造法を改良し、2020年3月にMCB製造法を確立した。
2021年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比9.8%減の9.72億円、営業損失が16.72億円、経常損失が16.88億円、親会社株主に帰属する当期純損失が16.91億円を見込んでいる。なお、売上高は前期比減となるが、売上原価の低減施策の実現により、売上総利益が前期比増となる。一方、JRM-001のパイプライン追加等により研究開発費が大幅に増加するものの、売上総利益の増益が営業損失を抑えることに寄与する計画となっている。
<SF>
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