■フューチャー <4722> 3,235円 (+374円、+13.1%)
東証1部の上昇率トップ。フューチャー <4722> が全般地合い悪に抗して4連騰。9月27日の上場来高値3020円を突破し、最高値街道への復帰を果たした。ITコンサルティングを手掛け、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資需要を取り込み業績は好調に推移している。27日取引終了後に発表した21年12月期第3四半期の業績は営業利益が前期比66%増の65億4400万円と急拡大しており、これを手掛かり材料に投資資金の流入が加速した。
■航空電子 <6807> 1,882円 (+198円、+11.8%)
東証1部の上昇率2位。日本航空電子工業 <6807> が急反騰。NEC系の産業用を主力とするコネクター大手メーカーで、足もとの業績は会社側の想定を上回って好調に推移している。合理化努力が結実したことで利益率の改善が際立つ。27日取引終了後、22年3月期業績予想の上方修正を発表、営業利益は従来予想の155億円から185億円(前期比2.1倍)に30億円も上乗せされる形となり、これが株価を強く刺激する格好となった。テクニカル的には7月中旬以降に下落トレンド入りし、75日線が上値抵抗ラインとなっていたが、28日はここを大きく上抜いてきたことで、中期波動の上昇転換を印象づけている。
■トーメンデバ <2737> 6,240円 (+570円、+10.1%)
東証1部の上昇率4位。トーメンデバイス <2737> が5連騰し上場来高値を更新。28日午後1時ごろ、22年3月期の連結業績予想について、売上高を2900億円から4000億円(前期比32.3%増)へ、営業利益を43億円から77億6000万円(同55.3%増)へ、純利益を31億円から50億円(同45.1%増)へ上方修正し、あわせて170円を予定していた期末一括配当を240円(前期170円)へ引き上げたことが好感された。上期において一部のメモリー製品の供給不足があったものの、全体では想定以上に物量を確保できたことに加えて、データセンター、パソコン向けメモリーの需要が拡大していることなどが要因。なお、同時に発表した第2四半期累計(4-9月)決算は、売上高2178億6200万円(前年同期比44.3%増)、営業利益59億200万円(同3.6倍)、純利益38億4800万円(同3.3倍)だった。
■メタウォータ <9551> 1,949円 (+169円、+9.5%)
東証1部の上昇率5位。メタウォーター <9551> が急反発。27日の取引終了後、22年3月期業績予想の修正を発表し、営業利益を85億円から75億円(前期比31.0%減)へ引き下げた。また、同時に発表した上期(4-9月)の営業損益は32億900万円の赤字(前年同期34億5800万円の赤字)となったが、第1四半期時点では営業赤字拡大での着地となっていただけに、目先通期見通しに対する過度な警戒感が後退し、買い戻す動きにつながったようだ。通期の売上高予想は1350億円(前期比1.2%増)で据え置いた。連結子会社となることが予定されている特別目的会社(SPC)の事業運営開始に向けた準備費用を今期に計上する見込みにあることから、利益見通しのみ下方修正した。他方、同SPCが予定通り事業運営を開始した場合の業績を新たに織り込み、24年3月期を最終年度とする中期経営計画の数値目標は引き上げた。あわせて、11月19日付で400万株(発行済み株数の7.73%)の自社株を消却すると発表した。消却後の発行済み株数は4775万8500株となる予定だ。
■SBテク <4726> 3,130円 (+249円、+8.6%)
東証1部の上昇率7位。SBテクノロジー <4726> が3連騰。同社は27日大引け後に決算を発表。22年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比39.0%増の21.8億円に拡大した。併せて、通期の同利益を従来予想の43億円→46億円(前期は39.8億円)に7.0%上方修正し、増益率が8.0%増→15.5%増に拡大し、従来の3期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。
■スクリン <7735> 10,400円 (+790円、+8.2%)
東証1部の上昇率9位。SCREENホールディングス <7735> が3連騰。同社は27日取引終了後、22年3月期連結売上高が3915億円から4090億円(前期比27.7%増)へ、営業利益が445億円から545億円(同2.2倍)へ、純利益が280億円から360億円(同2.4倍)へ、年間配当が180円から231円(前期は90円)へ、当初の会社計画を上回りそうだと発表しており、材料視された。上方修正は主に半導体製造装置事業において、半導体メーカーの設備投資意欲が想定以上に強く、売上高が増加する見込みであるため。22年3月期第2四半期(4-9月)連結営業利益は240億7700万円(前年同期比3.7倍)だった。
■野村総研 <4307> 4,540円 (+335円、+8.0%)
東証1部の上昇率10位。野村総合研究所 <4307> が続急伸。同社は27日取引終了後、22年3月期連結売上高が5900億円から6000億円(前期比9.0%増)へ、営業利益が960億円から1040億円(同28.8%増)へ、純利益が660億円から690億円(同30.5%増)へ、年間配当が38円から40円(前期は36円)へ、当初の会社計画を上回りそうだと発表しており、これが材料視された。情報システム投資分野でDX(デジタルトランスフォーメーション)を中心に企業の投資意欲が高く、活況を呈しているため。あわせて発表した22年3月期第2四半期(4-9月)連結営業利益は539億1300万円(前年同期比35.2%増)だった。
■バルカー <7995> 2,299円 (+157円、+7.3%)
バルカー <7995> が大幅高で3日続伸。27日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を485億円から518億円(前期比15.8%増)へ、営業利益を40億円から55億円(同58.3%増)へ、純利益を26億円から37億円(同19.7%増)へ上方修正し、あわせて50円を予定していた期末配当予想を55円に引き上げるとしたことが好感された。上期で先端産業市場に向けた販売が想定以上となったことに加え、機器市場及びプラント市場に向けた売り上げも堅調に推移していることが要因としている。なお、年間配当予想では105円となり、前期実績に対しては10円の増配となる予定だ。また、同時に発表した第2四半期累計(4-9月)決算は、売上高247億4000万円(前年同期比14.4%増)、営業利益26億9600万円(同60.0%増)、純利益19億1600万円(同6.3%増)だった。
■アイチコーポ <6345> 832円 (+52円、+6.7%)
アイチコーポレーション <6345> が急反発。同社は27日大引け後に決算を発表。22年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比8.3%減の30.6億円に減り、通期計画の72億円に対する進捗率は42.5%となり、5年平均の45.2%とほぼ同水準だった。また、発行済み株式数(自社株を除く)の2.0%にあたる150万株(金額で10億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことも買い材料視された。
■メイテック <9744> 7,020円 (+430円、+6.5%)
メイテック <9744> が急反発。同社は28日午前11時30分に、非開示としていた22年3月期連結業績について、売上高を1070億円(前期比10.7%増)、営業利益を123億円(同20.2%増)、純利益を84億円(同19.5%増)、年間配当予想を185円50銭(前期は184円)と開示し、増収増益や増配の見通しを好感した買いが流入したようだ。22年3月期第2四半期(4-9月)連結営業利益は53億3600万円(前年同期比9.4%増)だった。主要顧客である大手製造業各社の技術開発投資が持ち直し、受注に回復の兆しが見られていることが背景。あわせて、60万株(発行済み株式総数に対する割合2.21%)または34億円を上限とする自己株式取得枠の設定も発表している。取得期間は21年10月29日~22年2月28日で、自己資本や資金残高の充実度合いに特段の懸念がないため、利益配分に関する基本方針に従って自己株式を取得するとしている。
■一工薬 <4461> 3,370円 (+200円、+6.3%)
第一工業製薬 <4461> が急反発。同社は28日午後2時頃に、22年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比37.7%増の24億4700万円となり、従来予想の20億円から上振れたことが好感されたようだ。売上高は同8.5%増の303億8700万円(従来予想は300億円)で着地。光硬化樹脂用材料が苦戦したものの、太陽電池用途の導電性ペーストや環境配慮型の合成潤滑油の売り上げが伸びたことが好業績につながった。なお、通期業績予想は売上高615億円(前期比4.0%増)、営業利益51億円(同13.7%増)とする従来計画を据え置いている。
■積水化 <4204> 1,848円 (+84円、+4.8%)
積水化学工業 <4204> が大幅反発。同社は28日午後1時30分頃に、22年3月期通期の連結業績予想修正を発表。営業利益見通しを前期比33.7%増の900億円(従来予想は860億円)に引き上げたことが好感されたようだ。売上高の見通しも同9.4%増の1兆1555億円(従来予想は1兆1326億円)に上方修正。売値改善や高機能品の販売拡大による構成改善、コスト削減などが寄与するとしている。一方、航空機向け炭素繊維強化プラスチック(CFRP)など複合材成型品を手掛ける米子会社について減損損失を計上することから、純利益予想は同18.2%減の340億円(従来予想は600億円)に引き下げている。
■SBIIG <7326> 1,298円 (+56円、+4.5%)
SBIインシュアランスグループ <7326> [東証M]が大幅高で3日ぶりに反発。27日の取引終了後に発表した第2四半期累計(4-9月)の連結決算速報で、経常収益438億600万円(前年同期比7.8%増)、経常利益33億700万円(同51.4%増)、純利益11億5400万円(同49.3%増)と大幅な増収増益となったことが好感された。すべての事業における保有契約件数が堅調に増加したことが寄与した。なお、決算発表は11月10日を予定している。
■サムティ <3244> 2,588円 (+104円、+4.2%)
サムティ <3244> が全体地合い悪に抗して8連騰と異色の上昇波動を形成、連日の上場来高値更新となった。首都圏や関西エリアを地盤に投資家向け中古マンション再生など不動産流動化ビジネスを展開するほか、ホテル事業にも力を入れている。21年11月期は物件放出を抑制していることもあってトップラインが2ケタの減収を予想、営業利益段階で前期比4割強の減益を見込むなど低調だ。しかし、株価的には織り込みが進んでおり、ホテル事業の回復が見込める22年11月期は収益が急回復に向かう可能性がある。時価は最高値圏を走るが、株価指標面では依然としてPER8倍台と割安で、今期年間配当90円を計画し、配当利回りにして3.5%と株主還元姿勢も評価される。信用買い残も軽い。法人筋とみられる継続的な実需買いが観測され、株価を押し上げている。
■ベイカレント <6532> 48,650円 (+1,950円、+4.2%)
ベイカレント・コンサルティング <6532> が大幅続伸。岩井コスモ証券は27日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は6万円に設定した。同社は企業の経営戦略やIT分野に強みを持つ国内最大級の総合コンサルティング会社。コンサルティングからITシステム構築・運用までワンストップで提供し、デジタルトランスフォーメーション(DX)やESG(環境・社会・企業統治)などの様々な課題に取り組む企業のコンサルティング需要拡大を追い風に高成長を続けている。2022年2月期の連結営業利益は会社予想の160億円に対し200億円(前期比47.6%増)への上振れを予想。同社への中期的な成長期待などが株価の上昇材料になるとみている。
■特殊陶 <5334> 1,813円 (+71円、+4.1%)
日本特殊陶業 <5334> が大幅に3日続伸。同社は27日取引終了後、22年3月期連結業績予想について、売上高は4920億円から4820億円(前期比12.7%増)へ当初の会社計画を下回る見通しであるものの、営業利益は500億円から685億円(同44.5%増)へ、純利益は373億円から488億円(同27.2%増)へ、年間配当は74円から96円(前期は60円)へ上回る見通しだと発表しており、材料視された。自動車メーカーの半導体不足による減産影響を受けて新車組付用市場は厳しい状況にあり、売上高は下振れる見通し。一方、スパークプラグの補修用部品市場、半導体製造装置用部品が好調に推移していること、及び為替の円安影響や費用抑制により、利益は上振れる見通し。あわせて発表した22年3月期第2四半期(4-9月)連結営業利益は339億2100万円(前年同期比2.0倍)だった。
■東ガス <9531> 1,952.5円 (+70.5円、+3.8%)
東京ガス <9531> が3日続伸。同社は28日午後2時に、22年3月期連結業績予想について、売上高を1兆9520億円から1兆9700億円(前期比11.6%増)へ、営業利益を920億円から1000億円(同28.7%増)へ、純利益を600億円から670億円(同35.3%増)へ、年間配当予想を60円から65円(前期は60円)へ上方修正すると発表しており、好感された。業績予想の上方修正は第1四半期決算の発表時に続き、今期2回目となった。
■ニューラル <4056> 3,025円 (+102円、+3.5%)
ニューラルポケット <4056> [東証M]が大幅反発。28日午前11時ごろ、三菱地所 <8802> が開発・運営する物流施設「ロジクロス海老名(神奈川県海老名市)」にAI解析技術を活用した倉庫運営ソリューションを提供開始したと発表しており、これが好感されたようだ。この取り組みでは、物流施設内に設置したAIカメラが作業員の動線などを可視化し、庫内作業の効率化や安全性の向上を目指す。また、ニューラルの駐車場向けサービス「デジパーク」の技術を活用し、トラックバースの利用状況をリアルタイムで解析し、改善点を抽出することでトラックの待ち時間解消を実現する。
■信越化 <4063> 20,500円 (+575円、+2.9%)
信越化学工業 <4063> が全般地合い悪に抗して3日続伸、一時945円高の2万0870円と9月28日以来1ヵ月ぶりに2万円大台を回復した。塩ビ樹脂及び半導体シリコンウエハーの世界トップメーカーで足もとの業績は極めて好調に推移している。世界的に旺盛な半導体需要を背景にシリコンウエハーが需給逼迫状態にあり同社の商機が高まっている。また、塩ビ樹脂も需要活発で、値上げ効果の浸透もあり利益を押し上げている状況だ。同社の決算は業界動向を占ううえでマーケットの注目度も高かったが、27日取引終了後に発表した21年4-9月期の最終利益は前期比57%増の2209億400万円と同期間の過去最高利益を更新した。これを評価される形で投資マネーを呼び込んでいる。
■アルゴグラフ <7595> 3,175円 (+75円、+2.4%)
アルゴグラフィックス <7595> が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は27日、同社株のレーティングの「バイ」を継続するとともに、目標株価を3740円から3840円に引き上げた。第1四半期(4-6月)の連結営業利益は前年同期比11.4%増の17億4900万円と堅調。大手メモリメーカー向けなどの半導体製造工程管理システムが大きく貢献したほか、主力の自動車業界向けの引き合いも回復傾向にあることなども寄与した。同証券では、第1四半期決算を受け22年3月期の連結営業利益を従来予想の64億円から65億8000万円(会社予想60億6000万円)に上方修正した。23年3月期も半導体製造工程管理システムの大型案件が見込めるとみており、同利益は74億8000万円への増益を予想している。
■レーザーテク <6920> 25,390円 (+520円、+2.1%)
レーザーテック <6920> が全般下げ相場に逆行し反発。株価は今月20日に戻り高値2万7400円をつけてから決算発表をにらみ再び調整に入っていたが、決算発表前日となる28日は、発表前に買い直す動きが観測された。同社は半導体マスクブランクス検査装置で世界シェア100%というグローバルニッチトップの象徴株として、株式市場でも注目度が高い。次世代製品であるEUV露光装置に対応した商品も独占供給しているが、同社製品の需要先であるオランダの露光装置大手ASMLホールディング
■インフォMT <2492> 1,111円 (+18円、+1.7%)
インフォマート <2492> が反発。同社は28日午前11時に、請求書の受け取りから入力、支払い、計上までを自動化するソリューション「invox(インボックス)」を提供するDeepwork(東京都新宿区)に出資したと発表しており、材料視された。コロナ禍でテレワークが普及・拡大し、22年1月に改正される「電子帳簿保存法」や23年開始の「インボイス制度」(適格請求書等保存方式)などにより、企業の経理業務のデジタル化、電子インボイスのニーズは急増している。その中でバックオフィス業務のデジタル化、請求処理のデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業を支援するために、今回の出資に至ったとしている。
※28日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース
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