1. 2023年9月期の業績動向
ピー・ビーシステムズ<4447>の2023年9月期の業績は、売上高が前期比15.9%増の2,900百万円、営業利益は同11.6%増の301百万円、経常利益は同12.7%増の295百万円、当期純利益は同11.9%増の205百万円と全項目で過去最高を更新した。期初計画(売上高2,780百万円、営業利益300百万円、経常利益295百万円、当期純利益205百万円)に対して、売上高は4.4%増、営業利益は0.5%増、経常利益は0.3%増、当期純利益は0.2%増とこちらもわずかながら計画を上回る着地となった。営業利益ベースでは第3四半期累計時点で前年同期比41.2%減だったことから、通期計画の達成を危ぶむ向きも株式市場ではあったとみられるが、第4四半期で大幅な挽回に成功した格好である。主な売上増加要因としては、2022年9月期から主力のセキュアクラウドシステム事業において継続していた高難易度の特定案件がようやく完成に至ったことや、首都圏でのSaaS事業者やAI事業者向けの需要増に応えた顧客開拓の成功、さらにはエモーショナル事業における遊園地向け新規コンテンツの販売が功を奏したことが挙げられる。損益面では、セキュアクラウド事業で特定案件が大幅な押し下げ要因となったものの、それ以外のセキュアクラウドシステム事業では高度ノウハウを要する顧客へのサポート強化により高付加価値ハードウェア、ソフトウェアの販売増強に努めた。また、長年の経営課題でもあったエモーショナル事業の黒字転換を達成したことにより、売上高営業利益率は10.4%とほぼ前年同期並みの水準を確保することができた。
2. 2023年9月期の財務の状況
2023年9月期末の資産合計は前期末比69百万円増の1,980百万円、負債合計は同300百万円減の718百万円、純資産合計は同370百万円増の1,261百万円となった。現金及び預金が400百万円増加した一方、受取手形、受掛金及び契約資産の減少(454百万円)や買掛金の減少(280百万円)、長期借入金の減少(41百万円)があり、また当期純利益による利益剰余金の増加(205百万円)や新株発行等による資本金および資本剰余金の増加(103百万円)があった。これにより期末時点の自己資本比率は63.7%(前期末比17.0%ポイント上昇)と財務上の安定度が増している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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