~調剤薬局のネットワーク事業で業界No.1、独自の地域ケアシステムを展開~
【ポイント】
・調剤薬局のデジタル化を推進する「デジタル薬局コンソーシアム」を立ち上げ、「かかりつけ薬局化支援サービス」を開始した。2023年末に1.5万店への拡大を目指す。LINEの公式アカウント「つながる薬局」は3月にサービスを開始し、7月で444店、LINE友だち11.8万人と好調にスタートした。店舗ごとの月額課金システムをとっている。
・前期の業績は急回復をみせたが、今2022年3月期の1Qも順調であった。会社計画は保守的である。医薬品ネットワーク部門は好調であるが、調剤薬局部門において、コロナの影響が続くのに加えて、調剤報酬改定の影響についても慎重に見ていることによる。
・医薬品ネットワークへの加盟件数が、6月末で6367件(前期末比+251件)となった。業界シェアも10%を超えており、プラットフォームとしての基盤ができつつある。薬局経営の健全性を確保に向け、中小の調剤薬局の加盟が加速している。今期末の目標7300件に続いて、次は1万件を目指している。競合も一部出ているが、当社の優位性は揺るがない。
・今期を最終年度とする中期4カ年計画では、ネットワーク部門の拡大を柱に、医薬品メーカーから卸、薬局、患者に至るサプライチェーンの効率化を通して、営業利益50億円を目指してきた。コロナ禍の影響もあり、ここには届かないが、次期中期計画の展開力は高まっている。
・医薬品ネットワークのプラットフォームに、付加価値サービスを載せていくことができよう。自社ブランドのジェネリック医薬品の製造販売を強化している。LINE公式アカウント「つながる薬局」も、新たなネットワーク作りに貢献しよう。調剤薬局部門の収益変動も、ネットワーク事業の収益貢献が高まってくるにつれて、相対的に小さくなってこよう。
・地域包括ケアの中で、「未病・予防-医療-介護」を支える「かかりつけ薬局」への対応が勝負となる。ネットワーク部門を軸に、中期計画の営業利益50億円は若干遅れるとしても十分射程にある。加盟件数1万件が見えてくるにつれて、株式市場での評価は大きく高まってこよう。
目 次
1.特色 調剤薬局に独自のネットワークシステムを築く
2.強み 地域薬局のネットワークで圧倒的トップを確立
3.中期経営方針 新たなプラットフォームによる企業価値創造に向けて
4.当面の業績 新型コロナの影響を乗り越えて、来期はピーク利益更新へ
5.企業評価 医薬品ネットワーク部門を柱とした連携効果に注目
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2021年8月20日) |
779円 |
時価総額 | 239億円 (30.64百万株) |
PBR | 2.01倍 |
ROE | 15.4% |
PER | 13.0倍 |
配当利回り | 1.3% |
総資産 | 63029百万円 |
純資産 | 11714百万円 |
自己資本比率 | 18.6% |
BPS | 387.8円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2013.3 | 54827 | 2046 | 1912 | 756 | 29.1 | 8.0 |
2014.3 | 66181 | 2091 | 2019 | 668 | 27.7 | 8.0 |
2015.3 | 75548 | 2641 | 2540 | 885 | 37.1 | 8.0 |
2016.3 | 87715 | 3783 | 3860 | 1720 | 60.1 | 9.5 |
2017.3 | 88865 | 2113 | 2109 | 571 | 19.3 | 10.0 |
2018.3 | 93977 | 3163 | 3250 | 1022 | 34.5 | 10.0 |
2019.3 | 98232 | 1428 | 1501 | 462 | 15.3 | 10.0 |
2020.3 | 105241 | 1615 | 1560 | -895 | -29.5 | 10.0 |
2021.3 | 104257 | 3429 | 3479 | 2198 | 72.5 | 10.0 |
2022.3(予) | 105700 | 3500 | 4000 | 1800 | 59.7 | 10.0 |
2023.3(予) | 110000 | 4300 | 4200 | 2200 | 73.0 | 15.0 |
(2021.6ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2009.9期で1:200、2012年4月、6月に各々1:2の株式分割を実施。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/medelikarusisutemuneltutowa-ku202108.pdf
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