JSRのHPより
ＪＳＲ株式会社（社長：小柴満信）は、全額出資の子会社であるＪＳＲマイクロ九州株式会社（佐賀県佐賀市）の先端液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）用材料の生産設備増設を８月末に完了し、試運転を開始しました。これにより将来のＬＣＤ用材料の需要拡大に対する生産能力の増強を行ないます。

　昨年秋以降の世界的な景気後退により一時的に低迷していたＬＣＤ用材料の需要は、中国の「家電下郷」政策や日本の「エコポイント制度」などの各国の需要拡大政策の後押しを受けて、年明けから回復基調で推移しています。足下では昨年同時期並のレベルにまで回復しており、今後もこの基調を維持すると見込まれています。中期的にも2012年度以降には、世界需要は数量ベースで2008年度実績の２倍程度に拡大すると予想されています。

　ＪＳＲマイクロ九州は、1996年に半導体用材料の四日市工場に次ぐ国内第２生産拠点として設立されました。ディスプレイ用材料についても、2001年から国内第２拠点として着色レジストの生産を行っておりましたが、韓国・台湾での現地生産の開始とともに一旦、生産を休止していました。今回改めて、先端ＬＣＤ用材料の製造設備を整えて、新たに配向膜および絶縁膜の生産を開始します。今年度中は、試運転とユーザーでの認定作業を行ない、来春には日本を中心に製品供給を開始しますが、中期的な世界需要の拡大に対応して、台湾、中国を中心にグローバルに製品供給していくことも視野に入れています。

　当社は、着色レジストをはじめ、保護膜、感光性スペーサー、配向膜、絶縁膜、偏光板用位相差フィルム（アートンフィルム）、反射防止コート材、ハードコート材など、先端技術に基づいた幅広い液晶関連製品群を展開しています。今後も顧客の先端的技術ニーズに的確に対応することにより、半導体用材料とともに一層の事業拡大を図ります。
　また、ＪＳＲ四日市工場、ＪＳＲマイクロ九州（佐賀県）、ＪＳＲマイクロコリア（韓国）、ＪＳＲマイクロ台湾（台湾）での生産供給体制を増強することにより、国内・アジアのお客様に対するサービス体制を一層強化していきます。