■JSR <4185> 3,934円 (+700円、+21.7%) ストップ高
東証プライムの上昇率トップ。JSR <4185> [東証P]がストップ高。24日付の日本経済新聞朝刊は、「政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)は半導体材料のJSRを約1兆円で買収する」と報じた。同日、JSRは「本件を検討していることは事実」としたうえで、26日に開催する取締役会に付議する予定とのコメントを開示した。買収時に株価に上乗せされるプレミアムを期待した買いが集まった。報道によると、海外を含めた競争当局の審査を経て、JICは早ければ年内にJSRへのTOB(株式公開買い付け)を実施する。手続きが順調に進めば、2024年中に上場廃止となる見込みという。
■ボルテージ <3639> 354円 (+42円、+13.5%) 一時ストップ高
ボルテージ <3639> [東証S]が急騰、一時ストップ高となった。前週末23日の取引終了後、「ニンテンドースイッチ」向けタイトルの累計販売本数が10万本を突破したと発表しており、これを材料視した買いが入った。同社はこれまで移植タイトル16本、オリジナルタイトル1本を配信しており、日米をはじめとした世界への配信など各種施策により販売を伸ばしてきた。今後も新作投入や国内外でのプロモーションを継続し、スイッチ向けタイトルの拡大を促進させていく予定だ。
■木村工機 <6231> 2,508円 (+223円、+9.8%)
木村工機 <6231> [東証S]が続急伸。同社は23日取引終了後、3万株(自己株式を除く発行済み株式総数の0.84%)、8100万円を上限とする自社株取得枠を設定したと発表。取得理由は、経営環境に応じた機動的な資本政策を遂行するため。取得期間は7月3日から10月31日までとなっている。
■大有機 <4187> 2,573円 (+215円、+9.1%)
東証プライムの上昇率2位。大阪有機化学工業 <4187> [東証P]が8日ぶり急反発。昨年6月以来、およそ1年ぶりの高値に浮上した。同社は塗料や電子材料に使われるアクリル酸エステルを手掛ける化学メーカーで、半導体材料のフォトレジスト向けに強みを持つ。今期業績は電子材料向け需要の低迷で冴えない見通しにあるが、増配や自社株買いなど株主還元には手厚い姿勢をみせている。26日の株式市場では産業革新投資機構(JIC)によるJSR <4185> [東証P]の買収報道が話題となっているが、大有機は主要顧客の一つにJSRを有しており、JSRとともに関心が高まる格好で思惑的な物色が向かったようだ。
■東応化 <4186> 8,761円 (+728円、+9.1%)
東証プライムの上昇率3位。東京応化工業 <4186> [東証P]が3日ぶりに急反発。そのほか、大阪有機化学工業 <4187> [東証P]、トリケミカル研究所 <4369> [東証P]など半導体材料を手掛ける企業群に投資マネーが集中的に流入した。東応化は年初来高値を更新した。ここ相場の柱を担っていた生成AI関連特需で潤う 半導体関連に目先利益確定の動きが出ている一方、同分野で相対的に出遅れている素材関連にマーケットの視線が集まっている。市場では「政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)がJSR <4185> [東証P]を約1兆円で買収するとの報道を受け、同社株がストップ高に買われたが、この連想で業態的に類似する半導体材料株に個人投資家を中心とした短期筋が攻勢をかけている」(中堅証券ストラテジスト)という。特に東応化は半導体フォトレジストで世界トップクラスの商品競争力を誇っており、国策に乗る銘柄としてにわかに存在感を高めている。
■リプロセル <4978> 321円 (+17円、+5.6%)
リプロセル <4978> [東証G]が急伸。前週末23日の取引終了後、米バイオ企業のバーナル・バイオサイエンスとの独占代理店契約(日本のみ)を通じて、GMPグレードのmRNAと脂質ナノ粒子を販売開始すると発表。バーナルとの協業により、臨床を見据えた研究グレードや臨床試験の第1相、治験薬製造のための同製品の提供が可能になったという。カタログ製品に加えて、顧客のプロジェクトに即した受注生産で販売を行うとしている。
■湖北工業 <6524> 6,030円 (+230円、+4.0%)
湖北工業 <6524> [東証S]が4日ぶり大幅反発。日本経済新聞電子版が23日、「政府は2024年度にも、民間と共同で日本の国内外を結ぶ海底ケーブルの増設に乗り出す」と報じた。記事によると、政府が資金面から支援し、災害や地政学リスクに強い分散型の通信網づくりを進めて経済安全保障の強化につなげるという。この報道を手掛かりに海底ケーブル関連株の一角が物色されており、住友電気工業 <5802> [東証P]や古河電気工業 <5801> [東証P]、海底ケーブル向け部品を製造する湖北工業が上昇した。
■レナ <4889> 595円 (+18円、+3.1%)
レナサイエンス <4889> [東証G]が大幅高で7日続伸。今月14日につけた年初来高値を約2週間ぶりに更新した。東北大発の創薬ベンチャーで低分子化合物を活用した医薬品開発を手掛ける。人工知能(AI)技術を採り入れた医療ソリューションを標榜し、バイオセクターのAI関連株としてマーケットでも注目度が高まっている。直近では、前週末23日の前場取引終了後に、メラノーマ治療の臨床試験(第2相)で良好な結果を得られたことを開示し、株高を後押しする格好となった。
■クラシコム <7110> 1,745円 (+50円、+3.0%)
クラシコム <7110> [東証G]が続伸。雑貨や服飾品のECサイトを運営するが、足もとの業績は好調に推移している。前週末23日取引終了後、ステイト・オブ・マインド(東京都渋谷区)が運営するファッションブランド「foufou」事業を分割承継する新会社の全株式を取得し子会社化することを発表、これが株価を強く刺激する格好となった。同社の株価は4月上旬以降、5日移動平均線をサポートラインに一貫した戻り足を続けており、時価は昨年8月上旬以来約10ヵ月ぶりの高値水準を走っている。
■ツルハHD <3391> 10,895円 (+290円、+2.7%)
ツルハホールディングス <3391> [東証P]が3日ぶり反発。前週末23日の取引終了後、23年5月期の連結決算発表にあわせ、24年5月期の業績予想を開示した。最終利益は前期比2.5%増の258億9800万円を見込む。更に、前期の期末配当を直近の予想から27円増額したうえで、今期の配当については前期比7円増配の267円を計画する。増益見通しと株主還元姿勢を好感した買いが集まったようだ。今期の売上高は前期比6.5%増の1兆330億円と、初の1兆円台を見込む。ドミナント展開による店舗網の拡充を図るうえで、126店の出店を計画する。23年5月期の売上高は前の期比5.9%増の9700億7900万円、最終利益は同18.1%増の252億5800万円だった。
■三菱ケミG <4188> 847円 (+21円、+2.5%)
三菱ケミカルグループ <4188> [東証P]が反発。5月29日高値(837円90銭)を上抜け、年初来高値を更新した。前23年3月期は新型コロナワクチン事業撤退に伴う減損損失などの影響で最終大幅減益を余儀なくされたが、今期は前期比同水準を予想しており、業績に対する懸念はひとまず落ち着きをみせている。また、同社は株主還元拡充の方針を掲げており、今期配当は増額を計画する。堅調な業績見通しが株価を下支えするなか、前週末23日に世界的なリチウムイオン電池用正極材メーカーの韓国L&Fと協業検討を開始すると発表。これを手掛かりに買いを入れる動きが強まったようだ。
■ティアック <6803> 123円 (+3円、+2.5%)
ティアック <6803> [東証S]が続伸。26日、航空会社のソラシドエア(宮崎県宮崎市)に対し、機内エンターテインメントサーバーを納入したと発表したことが支えとなったようだ。7月1日からソラシドエアの全路線で運用が開始される。ソラシドエアは2017年12月から20年11月まで機内エンターテインメントサービスを提供していた。今回、サービスを再開するうえで、コンテンツ管理が容易な点などを評価し、ティアック製品の採用を決めた。ティアックは今後、国内外の大手航空会社やLCC(格安航空会社)の機内エンターテインメントに対する投資需要を積極的に獲得する計画だとしている。
■シナネンHD <8132> 3,820円 (+85円、+2.3%)
シナネンホールディングス <8132> [東証P]が3日ぶり反発。同社は26日、電気自動車(EV)のワイヤレス充電システムの生産・販売を手掛ける米ワイトリシティ(マサチューセッツ州)と日本市場での販売展開に関して基本合意したと発表。シナネンHDはワイトリシティの日本展開におけるパートナーとして、子会社のシナネンがワイトリシティ製品の日本国内への輸入から一般向けへの販売業務などを目指すという。また、シナネン及びグループのリソースを活用し、既存EV車両へのレシーバーの設置、ウォールボックス及び送電パッドを兼ね備えた充電場所の設置・普及なども推進していくとしている。
■ケミファ <4539> 1,899円 (+42円、+2.3%)
日本ケミファ <4539> [東証P]が4日続伸し、年初来高値を更新した。同社は26日、自社が製造販売するアレルギースクリーニング機器・試薬「ドロップスクリーン」に関し、富士フイルムホールディングス <4901> [東証P]傘下の富士フイルムメディカルと販売契約を締結したと発表。これが材料視されたようだ。ケミファが20年2月に販売を開始したドロップスクリーンは、「微量採血で受診者の負担を軽減し、アレルギー検査をより身近に」というコンセプトで開発された検査機器・試薬。1滴の血液で、同時に41項目のアレルゲンに対する特異的IgE抗体測定を約30分という短時間で実施できるため、検査結果を速やかに受診者へ伝えることができるという。
■郵船 <9101> 3,108円 (+68円、+2.2%)
日本郵船 <9101> [東証P]が反発。そのほか、商船三井 <9104> [東証P]、川崎汽船 <9107> [東証P]など大手をはじめ 海運株が軒並み買われる展開となった。半導体関連などハイテク系グロース株への買いが一服するなか、低PBRのバリュー株に対する物色意欲が再燃している。新型コロナ特需の反動によるコンテナ船市況の悪化は株価面で織り込みが進んだ。また、中国経済の減速が取り沙汰されるなかも鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は6月上旬以降、戻り足を鮮明としている。外部環境の厳しさを嫌気した売りが一巡し、低PBR・高配当利回り株へのリターンリバーサルの流れを映す形で買い戻しが進んだもようだ。
■高見サイ <6424> 1,272円 (+26円、+2.1%)
高見沢サイバネティックス <6424> [東証S]が9日ぶり反発。26日、Zip Infrastructure(神奈川県秦野市)が開発する次世代交通システム「自走式ロープウェイ Zippar」の実現に向け協力すると発表。これを材料視した買いが入ったようだ。建設コストの低減につながるZipparは、2024年中に駆動部の安全性が認められる予定という。今年夏に試乗会の開催が決定するなか、高見サイはセキュリティーゲートと昇降式ホーム柵を貸出したとしている。
■ビルト工 <1971> 538円 (+11円、+2.1%)
中央ビルト工業 <1971> [東証S]が3日続伸。同社は23日取引終了後、3ヵ年の中期経営計画を策定したと発表。最終年度となる26年3月期の単独経常利益目標を1億7800万円(23年3月期実績は9200万円)としていることが買い手掛かりとなったようだ。売上高の目標は101億7800万円(同95億9200万円)に設定。主な重点施策として、仮設機材事業では「利益重視・採算性アップへの方針転換」「共同開発などに注力して新商品開発を加速」「新規顧客開拓を推進」し、住宅鉄骨事業では「フレックス製品の品質管理の徹底と安定生産」「HBS(へーベルビルズシステム)製品の増産に向けた設備投資、人員の増強」を掲げている。
■平和 <6412> 2,498円 (+45円、+1.8%)
平和 <6412> [東証P]が6日続伸。SBI証券が前週末23日、平和のカバレッジを投資判断「買い」で開始した。目標株価は3740円とする。スマート遊技機の登場などを背景に、遊技機業界は久しぶりの大転換期を迎えていると指摘。同社の機種販売について、今期は順調に進むとみるほか、コロナ禍にあってもゴルフ事業を中心にキャッシュを創出するなど、強固な事業基盤を構築している点も強みだと分析する。同証券は平和の24年3月期の営業利益が377億4500万円になると予想する。
■モダリス <4883> 293円 (+5円、+1.7%)
モダリス <4883> [東証G]が4日ぶり反発。26日、先天性筋ジストロフィー1A型(LAMA2─CMD)に対して開発を進める遺伝子治療薬「MDL─101」に関し、臨床試験への重要なステップとなるPre─IND(TypeB)の申請に対する米食品医薬品局(FDA)からの返答を受領したと発表した。開発計画に大幅な変更を加えることなく、2024年中のIND申請に向けた開発を進められることを強く確認したとしており、発表を手掛かり視した買いが集まった。FDAの返答は、開発計画における各論点の確認をする機会となったが、主要なポイントについて同社の想定はFDAの考えにほぼ沿っていることが確かめられたという。
■ダイセル <4202> 1,290円 (+18円、+1.4%)
ダイセル <4202> [東証P]が3日ぶり反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が前週末23日、ダイセルの目標株価を1900円から2400円に引き上げた。レーティングは「オーバーウエイト」を継続する。アセテート・トウ(たばこフィルター)の値上げが順調に進み、為替や原燃料価格の前提も控えめだと指摘。下期からはエアバッグ用インフレーターのコスト削減効果も出ると見込む。同証券はダイセルの24年3月期営業利益の予想を530億円から600億円に見直した。
※26日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース
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