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2024/07/31 - 戸田工(4100) の関連ニュース。*13:41JST 戸田工業 Research Memo(1):酸化鉄で培った微粒子合成技術を深化させ、新素材、新製品で事業拡大■要約戸田工業<4100>は、磁器の絵付け、歴史的建造物などに欠かせない顔料である弁柄の製造業として創業、2023年11月に創業200周年を迎えた老舗化学素材メーカーである。酸化鉄で培った微粒子合成技術を深化させ、光学レンズ研磨剤用高純度酸化鉄、オーディオ・ビデオテープなどで使われる磁性酸化鉄、複写機・プリンター向けのトナー用材料、自動車や家電などのモーターやセンサーに使用される磁石材料、スマートフォンで多用される積層セラミックコンデ

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戸田工業 Research Memo(1):酸化鉄で培った微粒子合成技術を深化させ、新素材、新製品で事業拡大

配信元:フィスコ
投稿:2024/07/31 13:41
*13:41JST 戸田工業 Research Memo(1):酸化鉄で培った微粒子合成技術を深化させ、新素材、新製品で事業拡大 ■要約

戸田工業<4100>は、磁器の絵付け、歴史的建造物などに欠かせない顔料である弁柄の製造業として創業、2023年11月に創業200周年を迎えた老舗化学素材メーカーである。酸化鉄で培った微粒子合成技術を深化させ、光学レンズ研磨剤用高純度酸化鉄、オーディオ・ビデオテープなどで使われる磁性酸化鉄、複写機・プリンター向けのトナー用材料、自動車や家電などのモーターやセンサーに使用される磁石材料、スマートフォンで多用される積層セラミックコンデンサー(以下、MLCC)向け誘電体材料、電気自動車(以下、EV)などで利用拡大が続くリチウムイオン電池(以下、LIB)用材料などで事業を拡大してきた。現在、機能性顔料事業(各種顔料、環境関連材料)と電子素材事業(磁石材料、誘電体材料、軟磁性材料、LIB用材料等)の2事業で事業展開している。

1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の連結業績は売上高26,234百万円(前期比24.9%減)、営業利益117百万円(同91.4%減)、経常利益1,168百万円(同65.1%減)、親会社株主に帰属する当期純損失3,581百万円(前期は3,268百万円の利益)となった。機能性顔料事業は売上高8,119百万円(同44.9%減)、セグメント利益838百万円(同58.1%減)となった。売上面では戸田聨合実業(浙江)有限公司(以下、戸田聯合)の出資持分を譲渡した影響5,352百万円に加え、複写機・プリンター向け材料、環境関連向け材料が需要回復の遅れで低調に推移、営業利益も減収に加え原材料高の影響などで低迷した。電子素材事業は売上高18,115百万円(同10.4%減)、セグメント利益2,560百万円(同7.2%増)となった。希土類ボンド磁石材料の売上が主に自動車向けで伸長、誘電体材料は市場回復の遅れ、スマートフォンやPCなどICT機器の需要低迷などで在庫調整の影響を受けて減少、電池関連材料の製造連結子会社の低迷などもあり大幅減収となった。利益面では減収の影響はあったものの、製品価格是正活動の成果やMIX良化などが寄与し営業増益を確保した。なお2事業でのセグメント利益が3,398百万円(同22.6%減)、全社費用が3,281百万円(同8.5%増)となった結果、営業利益は大幅減益となった。また経常利益は円安進展で為替差益447百万円(同223百万円増)があった一方で持分法による投資利益が673百万円(同1,031百万円減少)と落ち込んだため減益幅が拡大、さらに親会社株主に帰属する当期純損失は3,581百万円と、減損損失4,869百万円を特別損失に計上したことから減益となった。

2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は売上高32,000百万円(前期比22.0%増)、営業利益700百万円(同497.2%増)、経常利益1,100百万円(同5.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益600百万円(前期は3,581百万円の損失)と予想した。売上高は戸田イスCORPORATION(以下、TIC)の完全子会社化などの影響が大きく、営業利益面では連結効果に加え下期から電子材料事業などの回復が見込まれる。ただし経常利益では持分法による投資利益が持分変更影響、持分対象企業の収益低迷などで減少見通し、為替差益も発生がないとの前提で経常利益では微減益を見込む。なお親会社株主に帰属する当期純利益は2024年3月期の4,869百万円の減損損失の影響がなくなり、黒字転換する見通しとしている。

3. 中長期の成長戦略
同社はパーパス「微粒子の可能性を、世界の可能性に変えていく。」を掲げ、2024年6月に中期経営計画「Vision2026」(2025年3月期〜2027年3月期)を策定、2030年度のありたい姿の実現に向け、事業ポートフォリオマネジメントを強化する方針を打ち出した。具体的には選択と集中の加速による事業成長を推し進めるため、電子素材事業では高付加価値化、M&Aにより強化した事業でのシナジー、機能性顔料事業では事業合理化と収益事業の継続、環境関連での次世代事業の早期実現化を目指す。具体的な数値目標として2027年3月期に売上高385億円、営業利益率5%を実現し、その先の2031年3月期のありたい姿として営業利益率8%以上を目指している。

■Key Points
・2024年3月期は前期比24.9%減収、営業利益は同91.4%減益と子会社譲渡、市場低迷で大幅収益悪化
・2025年3月期は前期比22.0%増収、持分会社の連結化で営業利益増も経常利益は同5.8%減益の予想
・パーパス「微粒子の可能性を、世界の可能性に変えていく。」を掲げ、新たに「Vision2026」を策定

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)

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配信元: フィスコ

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