1. 長期計画「Challenge1000」
電算システムホールディングス<4072>は「Challenge1000」を掲げ、2027年12月期に売上高1,000億円を目指している。これまで培った情報処理に関するノウハウとIT技術をさらに深化させ、そこにサービスを組み合わせることで生まれる「新しい価値の創造」を、先に挙げた「情報サービス事業」「収納代行サービス事業」「クラウドサービス事業」「新規事業」の4つの事業を通じて実現するとしている。
2. 3ヶ年計画
同社は中期目標として3ヶ年計画(2022年12月期~2024年12月期)を設定し、2024年12月期に売上高712億円とする業績目標を定めた。これは、2027年12月期に1,000億円を達成するためのステップである。業績目標達成のため、これまでの事業の柱である「情報サービス事業」「収納代行サービス事業」に「クラウドサービス事業」「新規事業」を加えて構造改革を行った。新規事業ではDX事業、セキュリティ事業、十六FGと合弁事業を行っている。DX事業においては顧客のDX推進をトータルサポートし、行政DX向けソリューションを提供する。セキュリティ事業ではグループ3社による協業拡大による事業成長を目指す。そのほか、クラウドサービス事業で東濃IDC(インターネットデータセンター)におけるパブリッククラウドを軸としたハイブリッドクラウド構築サービスの開始とGoogle関連ソリューションの拡販、文教マーケットへの進出に取り組んでいる。
十六FGとの合弁事業について、2022年2月に合弁事業開始及び十六コンピュータサービスの株式一部取得について合意し、同年3月1日に商号を「十六電算デジタルサービス」へ変更のうえ事業を開始した。同社のソリューション提案力と十六フィナンシャルグループの営業地域における基盤・ネットワークを融合することで、地域企業や行政のデジタル化及びDXを推進する。たとえば、取引先企業のDX推進に向けたITコンサルティングでの本業支援とフィンテック需要の取り込み、決済サービスの提供と地域DX推進に向けた地元IT企業とのアライアンスを行う「取引先の課題解決に向けたDX推進」である。加えて、「DXによる地域創生」として、行政デジタル改革と連動した地方公共団体のDX推進、税・公金収納業務における高度化と医療・教育機関向けDXを推進する。さらに「十六FGグループのDX力高度化」として、商品・サービス開発に向けた取り組みのほか、AI/RPAの持続的開発と実装、十六FG全体のITスキル(要員/組織)の向上を図っていく。なお、5~10年先の売上高は30億円規模を目指すとしている。足元では売上規模こそ大きくはないものの、地元企業のDX推進に向けた需要を取り込んでいるところであり、中長期的に事業拡大が期待される分野であると弊社では考えている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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