3Q累計決算は、売上高が前年同期比7.7%増の2,192百万円、営業利益が同83.6%増の195百万円となった。スマサポサンキューコールはコンタクト数(1-3Q累計、以下同様)が前年同期比5%減の227,612件、単価が同9%増の7,046円となった。取引条件見直しでコンタクト数は微減となったが、totono経由の案内導線増加と商材数の増加によって単価が上昇し、 1件あたりの収益性向上で売上は堅調に推移している。入居者アプリ「totono」のPhase1.0は導入社数が同横ばいの84社、MRR/ARRが同1%増の39,181千円/470,176千円となった。後述のPhase2.0への移行期であるものの、機能拡充などによるアップセルが進んだ結果としてMRRは上昇している。入居者アプリ「totono」のPhase2.0はユーザー数が同35%増の52,249ユーザー、1ユーザーあたりの単価(ARPU)が同7%増の97円となった。ユーザー数は急激に伸び始めており、単価も定価となる120円に向けて上昇基調が想定されることとなる。
2025年9月期も売上高で前期比12.1%増の3,000百万円、営業利益で同84.5%増の200百万円と大幅増収と高い利益成長が予想されているものの、達成が視野に入っている状況といえよう。
7月には株主優待も発表している。株主優待は初回基準日を2025年9月末日として、以降は毎年9月末日および3月末日現在の株主名簿上に記載または記録され、同社株式を3単元(300株)以上保有していることが付与の条件となる。3単元(300株)以上6単元(600株)未満の株主はQUOカード2,000円分(年間4,000円分)、6単元(600株)以上の株主はQUOカード8,000円分(年間16,000円分)が付与され、株主優待利回りは300株保有の場合で1.07%、600株保有の場合で2.15%となる。業績が復調から拡大に移る状況下、配当に先んじて株主優待を実施して、業績拡大の裏書をすることになる。
スマサポは、類似企業と比較した株価に割安感も目立つ。賃貸管理・ビル管理(オーナー向け資産管理アプリ、入居者対応の自動化など)関連の不動産テック企業ではrobot home<1435>、日本情報クリエイト<4054>を比較対処としてみると、時価総額(PER)はrobot homeが149億円(13.4倍)、日本情報クリエイトが110億円(17.4倍)、スマサポが29億円(17.7倍)となる。今期予想営業利益(伸び率)およびROEは、robot homeが14億円(+34.1%)と10.2%、日本情報クリエイト10億円(+40.9%)と13.0%、スマサポが2億円(+84.5%)と27.3%となる。いずれも高成長だ。スマサポは規模感が一段劣るものの成長率と資本効率の高さが目立ち、トップクラスのPER評価が可能であろし、既にその評価を受けつつある。
また、スマサポは株式会社ニーリー(本社:東京都中央区、代表取締役:佐藤 養太、以下 ニーリー)が運営するモビリティSaaS「Park Direct(パークダイレクト)」とのシステム連携を開始している。月極駐車場のプラットフォーマーとしては、ハッチ・ワークが上場している。負債先行のビジネスモデルでないこと、利益成長率、資本効率の観点を加味すると、ハッチ・ワークの類似企業はアズームが同社に近しいと言えるように見える。また、100億円以下のプラットフォーマーという観点では、不動産に絡むことと利益成長率の観点から、ツクルバなどは比較対象となり得るだろう。アズーム、ツクルバとハッチ・ワークとは高ROE、高い利益成長率でも共通項がある。アズームのPERは32倍、ツクルバは同52倍であり、ハッチ・ワークのそれは24倍。PERの切り上がりと利益成長が合わされば、ハッチ・ワークの株価は数倍の上昇が期待でき、スマサポのPERは17倍とさらに低い。スマサポの株価も、足もと利益成長にくわえ、バリューエーションの切り上がりが加われば、少なくとも5割、プラットフォーマーとしての位置づけが明確化すれば数倍が視野に入る。高ROE、高い利益成長率は、スマサポにも共通することを付け加えておく。
<HM>
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