● 2023年3月期の業績見通し
ランドコンピュータ<3924>の2023年3月期の連結業績は期初計画を据え置いた。売上高で前期比11.5%増の10,700百万円、営業利益で同8.9%増の950百万円、経常利益で同9.2%増の960百万円とし、売上高及び利益ともに過去最高を連続更新する見込みだ。親会社株主に帰属する当期純利益については、2022年3月期に計上した特別利益70百万円(投資有価証券売却益59百万円、受取補償金10百万円)がなくなる見通しであることから、同1.2%減の620百万円としている。
同社の業績は、顧客企業の予算執行のタイミングや開発システムの工期との兼ね合いから、第2四半期(7~9月)及び第4四半期(1~3月)に売上計上が集中し、営業利益が偏重する傾向がある。特に第4四半期に偏重する傾向が強く、過去5期間の上期(4~9月)と下期(10~3月)の比率は、売上高で46.7%:53.3%、営業利益で31.8%:68.2%となっている。これに対し2023年3月期の期初計画は、売上高で46.7%:53.3%、営業利益で32.6%:67.4%と過去平均と同様の季節変動を前提としていた。しかしながら、2023年3月期上期実績が計画を上回ったにもかかわらず通期予想を据え置いたため、現時点の比率は売上高で50.5%:49.5%、営業利益で47.4%:52.6%となっている。このため、弊社では、通期予想の達成はもちろん、上方修正の可能性も高いと見ている。
一方、同社は期初計画を据え置いた理由として、コロナ禍や世界的な半導体不足等による景気の先行き不透明感を挙げている。また、子会社のテクニゲートのオフィス移転や、同社とテクニゲートの関西事業所統合などの費用も見込んでいるようだ。しかしながら同社は、過去3期において第3四半期決算発表時に通期予想の見直しをしていることから、第3四半期以降での上方修正に期待したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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