デロイト トーマツ グループの有限責任監査法人トーマツ(東京都千代田区、包括代表 大久保孝一、以下トーマツ)、株式会社プロシップ(東京都千代田区、代表取締役社長 山口法弘、以下プロシップ https://www.proship.co.jp/)は、借手のリース契約に係る会計・開示および業務プロセスに影響するリースに関する会計基準(日本基準)の改正に対応する企業の準備を支援するため、協業を開始しました。
2023年5月に公表された「リースに関する会計基準(案)」(以下、「改正リース基準案」)は、国際財務報告基準(以下「IFRS」)に準じた会計処理が示されており、従来、幅広く費用処理が認められてきた借手のオペレーティング・リースについて、原則として資産計上を行う会計処理が提案されています。改正リース基準案が最終化された場合、リース契約の借手は、資産および負債計上額の算定や関連する減価償却や利息の計算など、これまでは実施していなかった会計処理を実施する必要が生じます。また、こうした会計処理を行うためのリース契約の管理や契約情報の収集に加え、IT システムの更新を含む業務プロセス・内部統制の再構築、経営計画・予算への影響の分析と対応、財務制限条項への影響の分析と対応、KPIの見直しなどの様々な領域において対応が必要となる可能性があります。
トーマツは、IFRS適用企業へのリース取引に係るアドバイザリー業務経験を活かし、改正リース基準案の適用準備に関しても、影響調査、会計処理・開示の整理、業務プロセス整備をはじめとするアドバイザリー業務の提供を開始しています。また、改正リース基準案が最終化された場合に対応が必要となる企業に対して、上のような領域に加え、ITシステム、オペレーション、内部統制、管理会計、人材教育といった領域についても、対応準備をサポートする予定です。
プロシップは、上場企業を中心に5,000社を超える導入実績のある固定資産管理システム「ProPlus」を中心に、固定資産管理に関する総合的なソリューションを幅広い顧客に提供しており、改正リース基準案の公表を受け、既に2023年5月より「影響額試算ソリューション」の提供を開始しています。これにより企業は契約書に記載のあるリース料やリース期間など会計処理に必要な最低限の項目を登録することで自社の改正リース基準適用による影響額を把握できます。また、将来改正リース基準案が最終化された後、影響額試算に使用したリース契約のデータを今後リリースされる基準に対応する「ProPlus」製品へ移行できるなど、円滑な制度適用にむけた準備をサポートしています。
今回の協業では、トーマツが会計・開示および業務プロセス構築等に関する助言を提供し、プロシップが影響額試算ソリューションおよび「ProPlus」製品を提供することで、両者の培ってきた知見を組み合わせて、日本企業による改正リース基準案の効率的な対応準備を支援します。具体的には、リースの識別、会計論点の整理、影響額の試算、関係システム対応の検討のほか、契約書の収集、契約データのインプット、仕訳金額の算定といったリースシステムを通じた業務プロセスの構築など、広範な領域における支援を展開します。
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