1. 膨大な蓄積データとアカウント基盤
オークファン<3674>の強みは、創業来培った700 億件を超える商品売買データに加え、それを処理・加工し、活用するためのノウハウやAI 技術にあり、同社独自の価値提供を可能にしている。蓄積されたデータが多いほど分析の精度が高まり、さらにそこにデータが集まるといった好循環も生まれている。加えて、アカウント数は145万を超え、さらに増え続けている会員基盤(ビジネス利用アカウント数)※も同社の経営基盤を支えており、重要なKPI となっている。こちらも利用者が多いほどプラットフォームとしての価値を高め、さらに利用者を集めるといったネットワーク外部性が働いていると言える。
※「注力事業」である「aucfan.com」会員数、「NETSEA」バイヤー数の合計。
2. 在庫流動化支援ソリューションを提供
「在庫価値ソリューション事業」及び「商品流通プラットフォーム事業」の様々なサービス(機能)を通じて、中小企業・個人事業主(SMB)を中心にオンライン流通を支える在庫流動化支援ソリューションを提供するとともに、小売・流通業のDX化を推進する役割を担っているところも、情報提供や流通プラットフォームなどの分野に特化している競合他社に対して差別化要因となっている。
3. SDGsに資する「モノの再流通インフラ」を構築
IT 化が遅れている巨大なBtoB 卸売市場をはじめ、商品在庫の廃棄ロス問題やリバースロジスティクス(返品市場)の顕在化など、社会課題の解決に向けて、在庫価値の算定から再流通までをワンストップで可能にする「モノの再流通インフラ」を提供し、年間数兆円規模の流通量を生み出すポテンシャルを有しているところもアドバンテージと言えるだろう。すなわち、データ(商品売買データ700億件)、プラットフォーム(再流通インフラ)、クラウドセラー(145万アカウントのSMB)が三位一体となり、世の中に滞留している在庫を流動化(流通量を創出)する、循環型成長モデル自体に強みがあると言える。今後は、オンライン市場にとどまらず、規模の大きなオフライン市場や海外市場にも進出していく方針である。もちろん競合他社も少なからず存在するものの、市場の大きさや社会的な要請を勘案すれば、いかに巨大な市場を掘り起こしていくのかが最大のテーマであり、他社に先駆けて取り組んできた同社には明らかに優位性があると評価できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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