＜クローズアップ＞ 防災技術、輸出に照準！産官学で推進組織を設立（１／２）

　ロボット、医療機器などと並んで、日本が国際的に優位にある技術分野として、防災関連のインフラ整備が注目を集めている。国土交通省は、防災技術の海外展開に向け、国内で受け皿となる官民が連携した協力体制の構築を進め、防災分野での国際貢献の推進を目指している。これに関連した民間企業にとっては、ビジネスチャンスの拡大にもつながる。

　国土交通省は４日、防災技術の輸出を産・官・学が一体となって推進する新組織「日本防災プラットフォーム」を設立した。目的は（１）防災関連の海外プロジェクトに関連する国内の産官学の連携の促進、（２）国内外の防災のための製品・技術・知識を持つ産官学の関係者による「検討の場」を構築することにより、防災分野での日本の国際貢献の推進および、国際的プレゼンスの向上を図る――ものだ。

　具体的な活動としては、防災上の課題に対応した技術や解決策を追求する「防災協働対話」などの政府間対話を通じて実施し、諸外国のニーズを踏まえて、官民で連携し迅速な検討を実施する。すでに、６月時点でベトナム、タイ、ミャンマー、インドネシア、トルコ、南アフリカの６カ国との間で枠組みを構築している。ニーズのある国への展開を進めることで、海外市場での防災インフラ整備の獲得を目指す。国内でも東日本大震災の被害を受け、復興が進められるなか、そこで得られた新たな技術や知識などが新興国での防災にも貢献することが期待される。

「日本防災プラットフォーム」は、企業・団体など２２社が発起人となっており、清水建設<1803.T>、三井不動産<8801.T>、ＮＥＣ<6701.T>、三菱総合研究所<3636.T>など幅広い分野を担当する企業も参加している。一方で、気象観測、予報・警報システム、土木構造物の耐震化など個別分野に貢献する企業も多い。

出所：株経通信（株式会社みんかぶ）