株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長:籔田健二、以下 MRI)は、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」の研究推進法人である独立行政法人環境再生保全機構から研究開発機関の1つに選定されました。研究開発プロジェクト「再生プラスチックのマッチングツールの開発及び活用実証」を実施し、プラスチックの循環経済実現に向けた検討を推進します。
1. 背景
これまでの大量生産・大量消費型の経済社会活動は、大量の廃棄物を生み出し、気候変動、天然資源の枯渇、生物多様性への影響など、さまざまな環境問題を引き起こしており、持続可能な形で資源を利用する「循環経済(サーキュラーエコノミー)」への移行を目指すことが重要です。身の回りで広く利用されているプラスチックは、適正に処理されない場合、海洋環境などに残留し生態系を脅かしています。また、日本の廃プラスチックの処理は、焼却して熱を回収して有効活用するエネルギーリカバリーが多く、その過程でCO2が発生し、地球温暖化防止等の観点からも望ましくありません。
内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」では、独立行政法人環境再生保全機構が研究推進法人となり、プラスチックの循環経済実現に向けた研究開発を推進しています。
2. 研究開発プロジェクトの概要
(1) MRIのこれまでの取り組み
プラスチックの循環経済の実現には、プラスチックの資源循環の確立が不可欠ですが、日本の再生プラスチック市場は未成熟です。MRIは、再生プラスチックの供給事業者(リサイクル事業者等)と利用事業者(製品メーカー等)の情報共有の円滑化による市場創出を目指し、2021年から再生プラスチックの需要と供給のマッチングを促すツールを検討し、簡易実証を実施してきました。
(2) 本研究開発プロジェクト
今回採択された研究開発プロジェクト「再生プラスチックのマッチングツールの開発及び活用実証」(2023年度より最長5年間を予定)では、MRIのこれまでの取り組みの成果を活用して、マッチングアプリを開発します。その上で、再生プラスチックの供給事業者と利用事業者に試行利用してもらい、マッチングと利用の実証事業を実施します。
また、再生プラスチックの原料となる廃プラスチックの回収量拡大に向けて、廃棄物処理事業者が回収する廃プラスチックと再生プラスチック供給事業者(リサイクル事業者等)とのマッチング可能性の研究や、再生プラスチックのトレーサビリティツールとの連携を図る検討を進めていく予定です。
図 プラスチック資源循環プラットフォームの構想と再生プラスチックマッチングのイメージ
3. 今後の予定
MRIは、プラスチック資源のサプライチェーンにかかわる企業や、研究機関、政府機関等と連携して、本研究開発プロジェクトを実施します。
そして、本研究開発プロジェクトで研究開発を進めるマッチングアプリを核として、再生プラスチック市場を拡大する仕掛け(トレーサビリティ、環境価値の見える化等)を備えたプラスチック資源循環プラットフォームを創出し、プラスチック資源が循環利用される量の拡大を図り、プラスチック循環経済の早期実現を目指します。
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関連情報
戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」における研究開発責任者の決定について(独立行政法人環境再生保全機構 2023.7.31)
https://www.erca.go.jp/erca/pressrelease/pdf/20230731_1.pdf
テクノロジーと協調で拓くわが国の循環経済 プラスチックと蓄電池の資源循環未来像(ニュースリリース 2023.7.5)
https://www.mri.co.jp/knowledge/insight/20230705.html
プラスチック資源循環促進法と循環実現への課題 経済合理的な循環実現にはプラスチックの需給マッチングが鍵(環境・エネルギートピックス 2022.3.28)
https://www.mri.co.jp/knowledge/column/20220328.html
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本件に関するお問い合わせ先
株式会社三菱総合研究所
〒100-8141 東京都千代田区永田町二丁目10番3号
【内容に関するお問い合わせ】
サステナビリティ本部 新井、森部、島田、斉藤、齋藤
メール:sip_plastic@ml.mri.co.jp
【報道機関からのお問い合わせ】
広報部
メール:media@mri.co.jp
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