テックファームホールディングス<3625>は7月23日付で、2018年6月期の連結業績予想の上方修正を発表した。4月にも1度上方修正を行ったが、第4四半期の業績予想も想定を上回ったことで再度の上方修正となった。売上高は前期比24.2%増の5,800百万円、営業利益は同239.3%増の560 百万円、経常利益は同245.8%増の560百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同778.8%増の230百万円といずれも過去最高を更新する、大幅増収増益を予想している。なお、8月10日付の決算短信で、売上高5,822百万円、営業利益は552百万、経常利益は552百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は232百万円と公表している。
4月の修正発表時点からの上振れ要因として、SI事業では主要顧客向けでAI関連のシステム開発案件が想定以上に伸長したこと、また、自動車アフターマーケット事業では新製品として投入したガラス商向け業務支援システムの販売件数が当第4四半期に想定を上回って好調に推移したことが挙げられる。両事業セグメントともに2ケタ増収となり、過去最高を更新した。
営業利益率が前期実績の3.5%から9.7%と大きく上昇するが、これは増収効果に加えてSI事業においてここ数年注力してきた収益性向上施策(不採算プロジェクトの削減や稼働率向上)の効果が顕在化してきたこと、IoT/AI関連等の好採算の受注案件が増加したことなどが要因となっている。
また、自動車アフターマーケット向け業務支援システムでは、新規参入した部品・ガラス商向けの新製品の寄与が大きかった。従来の主力製品であった鈑金加工・修理工場向けの整備システムも堅調だったが、部品・ガラス商は1社当たりの導入パッケージ数が多いため、売上増のインパクトも大きかった。部品・ガラス商向けについては従来、大手競合企業のほぼ独占状態であったが、同社では競合にはない新機能を実装した製品を開発したことが、新規顧客の開拓につながった。
具体的には、UIの改良により経験のない従業員でも簡単に利用できるシステムとした(=人手不足に対応)ほか、モバイルデバイスとの連携機能を設けたことで、外出先でもモバイルデバイスを使ってシステムを利用できるようにしたこと(=営業スタッフの生産性向上並びに顧客満足度の向上)、また、コールセンターと顧客データを共有できるようにし、顧客からの問い合わせに対して顧客履歴を確認しながら適切な対応をコールセンターでできるようにしたこと(=顧客満足度の向上)などが評価されたものと見られる。同社の持つ技術開発力がEBEの製品開発に生かされた格好だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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