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2021/12/09 - ネットイヤー(3622) の関連ニュース。■ネットイヤーグループ<3622>の今後の見通し1. 2022年3月期の業績見通し2022年3月期の単体業績は、売上高で前期比5.6%増の3,600百万円、営業利益で同0.3%減の140百万円、経常利益で同0.9%減の139百万円、当期純利益で同101.1%増の531百万円とする期初計画を据え置いた。下期だけで見ると売上高は増収となるものの、営業利益は2021年3月期下期の278百万円から112百万円と減益の見込みとなっている。これは、過年度より取り組んできた収益体質の改善に一定の成果が得られたことから、2022年3月期を事業再成長の年と位置付

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ネットイヤ Research Memo(4):営業利益は成長投資の実行により前期比横ばい水準を見込むが、上振れの可能性も

配信元:フィスコ
投稿:2021/12/09 15:04
ネットイヤーグループ<3622>の今後の見通し

1. 2022年3月期の業績見通し
2022年3月期の単体業績は、売上高で前期比5.6%増の3,600百万円、営業利益で同0.3%減の140百万円、経常利益で同0.9%減の139百万円、当期純利益で同101.1%増の531百万円とする期初計画を据え置いた。下期だけで見ると売上高は増収となるものの、営業利益は2021年3月期下期の278百万円から112百万円と減益の見込みとなっている。これは、過年度より取り組んできた収益体質の改善に一定の成果が得られたことから、2022年3月期を事業再成長の年と位置付けており、既存の受託事業の拡大だけでなくEC分野を中心とした新規領域への投資や人材投資を、2022年3月期下期以降積極的に推進していく方針となっているためだ。

売上高はNTTデータとの協業案件が継続するほか、小売業や外食業を中心にオウンドメディア構築案件の増加が見込まれる。また、新規分野となるShopify関連事業や、オウンドメディアの活性化につながる運用・改善型サービス「パフォーマンスオプティマイゼーションサービス」等の売上成長が期待される。売上総利益率については、人員稼働率の上昇や外注費の削減効果により前期比0.8ポイント上昇の19.9%と改善傾向が続くものと見ている。一方、販管費については、新規分野への投資や人材投資等により前期比で増加する見通しだ。人材投資については、従業員数を前期末比で10%程度増員する予定にしており(前期末は186名)、採用費の増加やUX人材育成のための教育費の増加を計画している。ただ、実際には同社が求めるIT技術者の採用が難しく、予定どおりに採用が進まない可能性がある。これは、競合他社だけでなく、顧客企業もIT技術者の採用を強化していることが背景にある。このため同社は中途採用だけでなく、2022年からは新卒採用も数名規模で開始し、社内で育成しながら戦力化するとしている。

また、競争力をより一段と向上していくため、オンライン/オフライン統合のUXの設計・実装力を強化していく方針であり、2022年3月期中に社員の半数以上をUX人材に育成する予定だ。全社員にUXの知見を浸透させるためにUXデザイン推進室も創設した。あらゆる職能、あらゆる工程でUXを具現化することで競争優位性を発揮し、「日本一のUX企業」を目指していく。なお、同社は新たな経営管理システムを導入し、受注案件や事業ごとの詳細な利益状況を可視化できるようになったことで、今後は業績の予実精度に関しても向上していくものと期待される。


企業のデジタルマーケティング施策ではオウンドメディアの重要性が高まる

2. 市場環境の変化
コロナ禍の収束が見えないなかで、個人の生活様式が大きく変わり、消費行動についてもオフライン(リアル店舗)からオンライン(EC)への移行が2020年以降急速に進んでいる。このため、BtoC企業に関しては、リアル店舗とECやオウンドメディアをいかに併存させていくかが課題となっている。ここ数年、オンライン(EC)とオフライン(リアル店舗)の連携を進める企業が増加しているが、今後はレジレス店舗や無人店舗など次世代型店舗の普及も進むと見られ、これらとオンラインサービスが一体となったOMO戦略が必要となり、そのなかでUX向上の鍵を握るオウンドメディアの重要性が一層高まっていくものと予想される。

また、ここ最近はネットの個人データ保護を強化する動きが出ている点も追い風となる。Google、Apple等は外部の企業が個人ユーザーのネット閲覧履歴を把握する仕組みを制限する方針を打ち出しているためだ(3rd Party Cookieの取得制限)。この影響により、自社のWebサイトを訪問したユーザーに広告を表示させるときに、個人をトラッキングするようなターゲティング広告ができなくなるため、ネット広告の費用対効果は従来と比較して低下する可能性が高くなる。一方で、企業が個人データを取得する場(1st Party data)については規制がかからないため、オウンドメディアの重要性が増すことになる。こうした環境変化から、今後はECも含めてオウンドメディアの設計・構築や基幹システムとの連携に対する投資を拡充する企業が増加していくものと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


<NB>
配信元: フィスコ

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