■ムラキ <7477> 1,633円 (+300円、+22.5%) ストップ高
ムラキ <7477> [東証S]が前日比300円高はストップ高となる1633円に買われた。同社は自動車用補修部品などの卸売大手だが、27日取引終了後に発表した23年3月期第1四半期(22年4-6月)決算は、営業利益が前年同期比69%増の7400万円と急拡大し上期計画の4700万円を大幅超過した。これがサプライズとなり投資資金が集中する格好となった。仕入れコスト上昇分を価格転嫁で吸収し、効率的な仕入れコントロールに努めたことが利益の大幅な伸びにつながった。
■ピアズ <7066> 978円 (+150円、+18.1%) ストップ高
ピアズ <7066> [東証G]がストップ高。同社は店舗運営コンサルティングやセールスプロモーションなどを行うが、近年は業績面で苦戦しており、オンライン接客サービスなどで新境地を開拓し巻き返しを図っている。そうしたなか、27日取引終了後に東京大学と早稲田大学発のスタートアップであるSuishow(東京都中野区)と メタバース領域で業務提携することを発表。SuishowはNFTマーケットプレイスや法人向けメタバース構築サービスを展開しており、今後は提携に伴う業容拡大に期待した買いを呼び込んだ。
■ワンプラ <4199> 3,500円 (+502円、+16.7%) ストップ高
ワンダープラネット <4199> が502円高はストップ高となる3500円まで買われる人気となった。「クラッシュフィーバー」などのスマホゲームの開発及び運営を手掛ける。22年8月期はトップラインが2ケタ伸長をみせる一方、営業損益は収支均衡圏を見込んでおり、ここ株価下落を見込んだ外資系証券経由の空売りが膨らんでいた。28日は全般地合いの変化で個別株も短期筋のショートカバーの動きが目立つなか、同社株に対しても買い戻しの動きが誘発された。直近ではJPモルガン経由の空売り残が増加しており、この反動が株高を助長した。同社はブロックチェーンゲーム領域への参入に前向きで、海外展開を視野にシンガポールに子会社を設立するなど、同分野における今後の展開に思惑がある。なお、同社は前日27日にヤミツキ光速パズルRPG「アリスフィクション」を全世界同時に正式サービスを開始したことを発表している。
■エムスリー <2413> 4,362円 (+533円、+13.9%)
東証プライムの上昇率トップ。エムスリー <2413> [東証P]が4日ぶりに急反騰、13%を超える上昇で4000円台を大きく回復した。同社は医薬品情報サービスや医薬従事者向け会員制サイトなどを運営し、製薬マーケティング支援業務が収益の柱となっている。27日取引終了後に発表した22年4-6月期決算は営業利益が前年同期比24%減の186億9500万円と減少したが、一方で売上高の伸びが顕著で同23%増の569億9600万円となった。営業利益の減少は想定内でネガティブ視されず、トップラインを評価する買いが流入した。株式需給面では直近信用倍率が6.58倍と大幅に買い長ながら、株価が底値圏にあることで機関投資家の貸株調達による空売りの買い戻しなども押し上げ効果をもたらしたとみられる。
■三菱自 <7211> 488円 (+48円、+10.9%)
東証プライムの上昇率4位。三菱自動車工業 <7211> [東証P]が急反騰、もみ合いを上放れ年初来高値更新した。27日の取引終了後に23年3月期業績予想の上方修正を発表。営業利益を900億円から1100億円(前期比26.0%増)へ増額しており、これを好感した買いが流入したようだ。円安の影響が業績を押し上げる見込み。売上高見通しも2兆2900億円から2兆3500億円(同15.3%増)へ引き上げた。同時に発表した第1四半期(4-6月)決算は、売上高が5286億9800万円(前年同期比22.4%増)、営業利益が307億8300万円(同2.9倍)だった。
■邦ガス <9533> 3,255円 (+302円、+10.2%)
東証プライムの上昇率6位。東邦ガス <9533> [東証P]が3日ぶりに急反騰。28日午前11時30分過ぎに23年3月期第1四半期(4-6月)の決算を発表し、純利益は前年同期比93.9%増の103億2100万円となった。通期計画(160億円)に対して進捗が良好なことから、これがサプライズとなって買いが入ったようだ。売上高も同40.6%増の1445億1500万円と増加した。ガス販売量の減少や電気事業収支の悪化があったものの、原料費調整制度により前期の期ずれ差損の影響が料金に反映されて増収となった。供給販売費や一般管理費が前年同期並みの水準となったことで利益も増加した。
■東光高岳 <6617> 1,932円 (+173円、+9.8%)
東証プライムの上昇率7位。東光高岳 <6617> [東証P]が続急伸、年初来高値を更新した。同社は27日取引終了後に、23年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比56.9%増の13億8800万円となり、通期計画44億円に対する進捗率は31.5%に達した。売上高は同1.8%減の200億4200万円だった。電力会社向けのプラント物件や海外工事物件などが減少した半面、三次元検査装置や断路器の売り上げは増加した。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。
■SBテク <4726> 2,609円 (+186円、+7.7%)
東証プライムの上昇率8位。SBテクノロジー <4726> [東証P]が3日ぶりに急反発。27日の取引終了後、非開示だった23年3月期の連結営業利益は54億円(前期比4.8%増)になりそうだと発表。5期連続で過去最高益を更新する見通しとなり、これを好感する買いが入った。ノートンライフロック社との契約変更の影響はあるものの、企業や官公庁・自治体のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進などの旺盛なクラウド・セキュリティー需要を取り込むことで増収増益を見込む。同時に発表した第1四半期(4-6月)の同利益は前年同期比19.0%増の10億8500万円だった。あわせて、25年3月期に営業利益80億円を目指す中期経営計画も明らかにしている。
■中部電 <9502> 1,417円 (+101円、+7.7%)
東証プライムの上昇率9位。中部電力 <9502> [東証P]が3日ぶりに急反発し、年初来高値を更新。27日の取引終了後に発表した23年3月期第1四半期(4-6月)連結決算は、売上高7659億6300万円(前年同期比45.9%増)、営業利益414億8600万円(同86.0%増)となり、これを好感する買いが向かった。電気・ガスの販売部門であるミライズの業績拡大が収益を牽引した。顧客ごとの供給コストに応じた販売価格の見直しを行ったほか、電源調達で相対取引にかかる調達コストが減少したことで採算が大きく改善した。なお、燃料価格の高騰に伴い期ずれ損益が拡大したことなどから、経常利益は前年同期比33.7%減の322億1600万円だった。
■航空電子 <6807> 2,375円 (+145円、+6.5%)
日本航空電子工業 <6807> [東証P]が3日続急伸。27日の取引終了後、2023年3月期第2四半期累計(4-9月)連結業績予想について、売上高を1210億円から1230億円(前年同期比9.8%増)へ、営業利益を95億円から100億円(同8.4%増)へ、純利益を67億円から90億円(同32.6%増)へ上方修正しており、これを好感した買いが流入した。第1四半期は、国内外の産業機器市場の堅調な需要や円安の進行から増収増益を確保し、第2四半期も堅調な需要や円安傾向が続くと予測されることが要因。あわせて発表した第1四半期(4-6月)決算は、売上高564億5200万円(前年同期比7.4%増)、営業利益52億2500万円(同45.0%増)、純利益58億5300万円(同2.2倍)だった。なお、通期業績予想については、経済環境や市場環境が年初の見通しから大幅に変化し、現時点での算定が困難であることから未定とした。
■メディアドゥ <3678> 2,228円 (+127円、+6.0%)
メディアドゥ <3678> [東証P]が4日続急伸。株価は一時、前日27日に比べ約8%高に買われた。岩井コスモ証券は27日、同社株の投資判断「A」と目標株価3400円を継続した。第1四半期(3-5月)は、連結営業利益が前年同期比26.0%減の6億1900万円となったが、LINEマンガ移管も含めて計画通りに推移。電子書籍市場は巡航速度で成長していることを評価している。また、クレディセゾン <8253> [東証P]との資本・業務提携で、顧客の購買動向などのデータ取得を継続しながら、電子書店として成長を目指せるようになったことにも注目している。LINEマンガ剥落の影響が見えてきたことなどから、株価は落ち着きをみせており、今後の回復が見込めるとみている。
■リクルート <6098> 4,874円 (+204円、+4.4%)
リクルートホールディングス <6098> [東証P]が大幅高で4日ぶりに反発。一時4900円台まで上値を伸ばし、フシ目の5000円大台を目前に捉えた。同社株にとって5000円大台ラインは鬼門ともいえる重要な上値ポイントとなっており、仮に上回れば4月21日以来となる。日本を代表する総合人材サービス会社だが、求人検索サービス「Indeed」が米国で急成長し、同社の業績を押し上げている。ここ米国でリセッション懸念が浮上するなか風向きは悪かったが、前日27日に開催されたFOMC後の記者会見でパウエルFRB議長は労働市場が依然として非常に力強い状況にあることに言及したほか、米経済が減速するなかで今後政策金利の引き上げについてペースダウンする可能性を示唆したことが米国株市場でも好感された。米国での展開に注力する同社にとっても、米景気に対する警戒感の後退はプラス材料として意識されたもようだ。
■信越化 <4063> 17,020円 (+685円、+4.2%)
信越化学工業 <4063> [東証P]が大幅高で3日続伸、1万7000円台に歩を進めた。同社が27日取引終了後に発表した23年3月期第1四半期(22年4-6月期)の営業利益は前年同期比94%増の2496億2000万円と倍増に近い伸びをみせた。主力の塩化ビニル樹脂が米国の住宅向けなどを中心に好調で収益を押し上げている。また、世界トップシェアを誇る半導体シリコンウエハーもデータセンター向け需要などを取り込み業績に大きく貢献している。同社は第1四半期決算とあわせて、これまで非開示だった23年3月期通期業績予想も発表、営業利益は前期比22%増の8250億円と大幅に過去最高利益を更新する見通しにある。これを評価する形で上値を見込んだ投資資金が流入した。
■メイテック <9744> 2,489円 (+95円、+4.0%)
メイテック <9744> [東証P]が大幅続伸、年初来高値を更新した。同社は28日午前11時30分ごろに、23年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比45.9%増の37億2500万円となり、上半期計画68億円に対する進捗率は54.8%となった。売上高は同13.6%増の286億3200万円で着地。提案営業で受注獲得を強化し、稼働人員数の増加と稼働率の向上を両立したことが寄与した。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。
■ファナック <6954> 22,645円 (+800円、+3.7%)
ファナック <6954> [東証P]が大幅続伸。同社は27日取引終了後、決算発表を行うとともに23年3月期連結業績の増額修正を発表したことが好感された。売上高は8255億円から8257億円(前期比12.6%増)に見直したほか、営業利益は1973億円から1984億円(同8.3%増)に修正した。FA部門では、工作機械需要が堅調でCNCシステムの販売が伸びているほか、ロボット部門も電気自動車(EV)やIT関連向けが堅調に推移している。なお、第1四半期の売上高は2115億6300万円、営業利益は497億5700万円だった。
■RSテクノ <3445> 6,420円 (+200円、+3.2%)
RS Technologies <3445> [東証P]が大幅高で3日続伸、カイ気配スタートで水準を切り上げた。27日の取引終了後に22年12月期業績予想の上方修正を発表しており、これを好感した買いが入ったようだ。売上高を374億円から450億円(前期比30.0%増)へ、営業利益を76億円から105億円(同52.7%増)へそれぞれ引き上げた。当初の想定を上回る需要が見込まれることや、為替影響などが業績に寄与する見通し。
■積水化 <4204> 1,924円 (+45円、+2.4%)
積水化学工業 <4204> [東証P]が4日ぶりに反発。28日午後1時30分ごろ、23年3月期の連結業績予想について、売上高を1兆2416億円から1兆2607億円(前期比8.9%増)へ、純利益を665億円から700億円(同88.8%増)へ上方修正したことが好感された。売値の改善や高付加価値品の拡販、コストダウンなどの進捗が見込まれることが要因としている。なお、同時に発表した第1四半期(4-6月)業績は、売上高2822億7100万円(前年同期比13.5%増)、純利益145億7800万円(同16.3%増)だった。
■沖縄セルラー <9436> 5,450円 (+90円、+1.7%)
沖縄セルラー電話 <9436> [東証S]が3日続伸。27日の取引終了後に株式分割を実施すると発表。9月30日を基準日として1株を2株に分割するとしており、これが好感されたようだ。同時に発表した23年3月期第1四半期(4-6月)の決算は、営業収益が前年同期比3.6%増の185億3300万円、営業利益が同0.8%減の45億9400万円だった。auでんきの伸びが牽引し増収となった一方、auでんき関連のコスト増により利益は減少した。
■カネカ <4118> 3,630円 (+35円、+1.0%)
カネカ <4118> [東証P]が続伸。大和証券は26日、同社株のレーティングを新規「2(アウトパフォーム)」でカバレッジを開始した。目標株価は4400円に設定した。同社は塩化ビニル樹脂(PVC)や樹脂添加剤、電子機器用部材など幅広い事業を手掛けるファインケミカルメーカー。PVCなど樹脂の耐熱性を高める添加剤であるモディファイヤー(MOD)やシーリング材原料の変成シリコーン(MS)、フレキシブルプリント基板材料であるポリイミドフィルムでは世界的高シェアを誇る。また、バイオ医薬品CDMO事業の育成や生分解性ポリマー「Green Planet」の立ち上げに注力している。同証券では23年3月期の連結営業利益を470億円(会社計画480億円)、25年3月期は600億円と予想。MODやMSなどの世界的高シェア事業に加え、Green Planetやバイオ医薬品CDMO事業といったバイオ関連事業が今後の成長を牽引するとみている。
※28日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
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