他社にはない強みを持つドラッグストア
同社のポイントは他のドラッグストアがあまり扱わない、生鮮食品やお惣菜の食品部門と調剤部門をしっかり育成し、本格的なサービスと品揃えで提供していることです。また、電気・ガス・水道などの公共料金の支払いもでき、周辺住民の利便性を追求しています。これによって競争力のある店舗モデルの構築に成功しているのです。顧客は同社店舗に訪れることでワンストップで買い物を済ませられます。
同社の商品別の販売構成を見ると、薬を含むヘルス系が13.5%、ビューティー関連が19.2%、調剤が10.8%、食品が32.5%、日用雑貨品が23.9%となっており、調剤と食品で4割以上の売上げ構成を占めます。
惣菜や生鮮食品を扱ったり、調剤を手掛けることは一朝一夕にはできません。たとえば、惣菜や生鮮食品は仕入れノウハウや鮮度管理などが必要ですし、調剤については薬剤師の確保・育成や周辺の主要病院との連携が必須です。同社は時間とコストと手間をかけて、長期プロジェクトとしてこれらの部門の強化に注力してきました。結果として、店舗の競争力強化に成功し、収益性の高い店舗モデルを実現できたと言えます。
店舗モデルは構築できているのであとは店舗数を増やすことで業績拡大が目指せるフェーズにいます。地盤の北陸エリアでは大きなシェアを構築していますが、今後はさらに買収などでシェアを拡張して行ける余地があります。また、将来的には北陸エリア以外への進出も視野に入ります。
2015年5月期の業績は売上高が18.0%増の1349億9400万円、営業利益が31.8%増の77億7800万円、経常利益が30.8%増の79億5900万円、当期純利益が36.3%増の52億1300万円と増収増益。会社計画を大幅に上回る結果で着地しました。
通期予想は保守的な数字になっていますが、これまでも同社は保守的な予想を出しては結果として上振れて着地することを繰り返しており、今後の業績に要注目です。
ROEも25%と同業の中ではトップレベル。一言で言えば経営センスが優れた会社といえるでしょうか。