IHIと野村不動産による大規模物流施設 『Landport横浜杉田』 物流の労働力不足の解消と更なる物流効率化に向けた取組みを実現
株式会社IHI(本社:東京都江東区/代表取締役社長:井手 博/以下、IHI)と野村不動産株式会社(本社:東京都新宿区/代表取締役社長:松尾 大作/以下、野村不動産)は、現在建設を進めている大規模物流施設「Landport横浜杉田」(所在地:横浜市金沢区/以下、本施設)において、物流業界における労働力不足の解消と更なる物流効率化の実現を目指し、立体自動倉庫の「シェアリングサービス」および自動化機器の「レンタルサービス」導入を決定しました。
2024年問題に直面する物流業界では、ドライバーなど労働力不足が進む一方で、EC拡大により業務荷物量は増加傾向にあります。そのような中、物流業務支援のための自動化機器の導入を検討する企業は増加しておりますが、自動化機器の購入費用の負担が大きいことや導入までに時間がかかること等から導入実現には現状多くの課題が残っています。そうした課題の解決に向けて、本施設では立体自動倉庫の「シェアリングサービス」および自動化機器の「レンタルサービス」による、柔軟な物流業務提案を行い、更なる物流効率化の実現を目指します。
1.立体自動倉庫のシェアリングサービス
本施設の3・4階の一部に設けた約12mの吹き抜け空間に、最大4,020 パレット(荷姿:幅1.2m×奥行1.2m×高さ1.6m)の保管が可能な「立体自動倉庫」を設置します。立体自動倉庫は株式会社IHI物流産業システム(本社:東京都江東区/代表取締役社長:川田 基浩/以下、ILM)が提供するもので、保管容量の効率化および入出庫から保管までの工程を自動化することができます。
さらに、本施設では、立体自動倉庫を複数の入居テナントが共同利用できる「シェアリングサービス」を提供いたします。荷量に応じて任意の期間でパレット単位の予約ができ、柔軟な入出庫・保管が可能となります。各テナントが共通のシステム上で、空き情報の確認や事前予約、実績の照会などが可能な仕組みです。
なお、立体自動倉庫専用の非常用発電機の設置を想定しており、停電時においても約8 時間の電力供給を行い物流業務が滞ることを防ぎます。
【シェアリングサービスのメリット】
1)導入費用・時間の削減
・自動化設備導入の初期費用や固定費がかからず、新たな投資財源の確保が可能になる。
・従量課金制のため、使いたいときに必要な分だけを利用することが可能になる。
・自社で購入する場合と比べ、導入にむけたリードタイムが短縮可能になる。
2)固定賃借面積の合理化
・季節波動により発生する荷量の変動部分についてシェアリングを活用することで、固定賃借面積の削減に繋がる。
2.「Techrum(テクラム)」および参画するILMによる自動化機器のレンタルサービス
野村不動産では、自動化機器の効率的な活用により物流オペレーションの最適化を行うためのプログ「Techrum(テクラム)」を2021 年4月に開始いたしました。今回本施設では、「Techrum(テクラム)」に参画しているパートナー企業の持つ自動化機器等を、テナントに対してレンタルサービス提供します。ピッキングや荷物の積み下ろしなどを支援するマテハンロボット※1 及びWMS(倉庫管理システム)※2 を必要に応じてレンタル可能とすることで、庫内作業の省人化・効率化を実現し、労働力不足問題の解決を目指します。
なお、「Techrum(テクラム)」へILMが新たに参画し、ILMが提供するマテハンロボット及びWMS も下図の通り利用可能となります。立体自動倉庫のシェアリングサービスと同様に、設備準備のための初期費用や固定費がかからずに最新の自動化システムの導入を進めることができます。
※1 マテハンロボット:資材や部品などの移送や搬送などに利用される産業用ロボットの総称
※2 WMS:倉庫内の運営をサポートするシステム。保管荷物の在庫管理や納品事務作業支援などの効率化が可能
3.物件概要
4.位置図
■IHIの不動産開発事業について
IHIグループ保有不動産のポテンシャルを最大限に引き出すべく、全国の事業所・社宅跡地等を開発し、賃貸事業、分譲事業を展開してまいりました。造船工場跡地の豊洲では、都心最大級の再開発事業を主導しており、地域のまちづくり団体や企業と連携し、最新技術等を活かした持続可能なまちづくりを目指しております。また、バイオマス発電やメガソーラー事業を展開し、近年は東京都江東区の砂町地区や神奈川県綾瀬市などでの物流施設事業にも注力し、環境対応・社会貢献に取り組んでいます。IHIグループでは、本シェアリングサービスを通じた新たなサービス領域を獲得し、1,000億規模の市場を創出することを目指します。
■IHIの物流システム事業について
IHIのグループ会社であるILMは、総合物流機器メーカーとして50年以上、自動倉庫をはじめとする自動化設備を展開してきました。近年では、人手不足による物流現場の課題を解決するため、グローバルなオープンイノベーション推進によって、AIによる認識技術を活用したデパレタイズ/パレタイズロボットシステムやピースピッキングシステム、3次元ピッキングシステム「Skypod」などのロボットシステムおよびそのインテグレーション技術を開発し、お客様のニーズに合わせた物流ソリューション提供に取り組んでいます。また、本施設では、自動化設備の提案に加え、在庫配置計画や運用計画といった現場作業の最適運用を目指した物流情報サービスを提供することにより、本施設内における自動化・省人化をトータルで支援します。
■野村不動産の物流事業について(https://www.nomura-landport.com/)
「Landport(ランドポート)」は「新しい選択を創造するロジスティック共創拠点」をコンセプトとし物流施設開発を展開しております。首都圏、中部圏、関西圏、九州圏に43棟 約64万坪(24年2月末時点)の開発実績をもち、物流最適化を実現すべく、顧客課題の把握に注力しながらリーシングを実施しています。利用するお客様の業種(=カテゴリー)を特定することで、オペレーション効率を最大化する物流施設と自動化を見据えた施設設計を実現してまいりました。ハード面のみならず、雇用環境の充実に向けたサービスなどソフト面からもお客様への提案を行っております。
■野村不動産の運営する物流効率化プログラムについて
「Techrum(テクラム)(https://www.nomura-landport.com/techrum/)」は、ロボティクスやICT、搬送機器など物流関連技術を有する企業各社と連携し、当社が核となって物流課題の解決を目指す取り組みです。参画しているパートナー企業は2月末時点で78社です。
・「Landport習志野」内「習志野Poc Hub」でのデモ会開催について
Techrumでは、パートナー各社が提供する各機器のデモンストレーションを一度に見学することが出来るデモ会を定期的に開催し、様々な荷主・物流企業固有の物流課題を集積しています。集積した課題に基づいてパートナー各社と連携して、総合的なソリューション開発・検証に繋げています。
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