ヨシックス、2Q実績で最高収益 新規出店による事業拡大を進め増収増益を達成
企業理念・社是・基本理念
吉岡昌成氏:代表取締役会長の吉岡でございます。よろしくお願いします。さっそくですが、平成31年3月期第2四半期の決算説明をはじめます。よろしくお願いします。
私どもの企業理念は、「赤ちゃんからおじいちゃん、おばあちゃんまで楽しくすごせる心・食・居を演出する」です。そして社是が「あたりまえやを当たり前に」です。
もう1つ、社是に続きの言葉があります。「私たちは、当たり前のことを当たり前に話し合い、当たり前に行います」というもので、(第34期経営指針書を提示して)これが34期の経営指針書なのですが、毎年これを年に1回更新するというかたちで、会社の経営をしております。
次に、や台やグループの基本理念が「元気を持って帰ってもらう店なんやで」です。つまり、私どもの店がどうしてそこにあらねばならないのか……お客様に元気を持って帰ってもらうために、私どもの店があり、会社があるということで、これを飲食部の基本理念としております。
事業内容
業態についてです。「や台ずし」が、9月末時点で194店舗あり、社員が独立したのれん分けの店舗が3店舗ございます。また「ニパチ」という(280円・税抜)均一居酒屋ですが、こちらが76店舗あり、基本的には東海地区から伊勢、九州方面、山陽が中心です。
「や台や」は、一番最初に展開した業態なのですが、お好み焼き、鉄板焼きの居酒屋で、現在10店舗ございます。こちらも、のれん分けした社員独立店舗が1店舗ございます。そして、大阪の味・串カツ居酒屋「これや」。こちらは18店舗ございます。
このほかに「せんと」という個室居酒屋、「や台どり」という焼き鳥屋もあります。そして、新業態「やっぱステーキ!や」というステーキ業態を今年度開発しております。
また、建装事業として、店舗用の設計、施工も行っております。
当社の歩み
1988年からの売上推移です。見ていただいたらわかるのですが、均一居酒屋「ニパチ」中心になったのがいつからなのか。これは、リーマンショックの後です。アベノミクスが始まると、また「や台ずし」に変わり、ここで売上が伸びています。したがって、デフレに対応していた業態が「ニパチ」で、インフレに傾いてくる時に、売上がぐっと伸びてくるのが「や台ずし」です。
損益計算書概要
損益計算書になります。売上高は第2四半期で86億7,700万円、(前期比)116パーセントで、予算の進捗率が46.9パーセントです。営業利益は9億8,700万円、(売上比は)11.4パーセントです。(前年比)124.8パーセントで、進捗率が53.1パーセントです。
経常利益は11億6,300万円、(売上比は)13.4パーセント。前年比120.7パーセントで、進捗率が51.9パーセントです。当期純利益は7億5,100万円、(売上比は)8.7パーセント。前年比127.2パーセントで、進捗率が54.4パーセントです。
損益要因
売上高は前期比で116パーセントですが、これはもう少し(高い数字まで)いくと思っていました。私としては不満です。上期は台風、地震、大雨、そして山陽のほうは洪水までありました。床上浸水などの影響はなかったのですが、協力してくれる業者さんの流通網が寸断されたり、大阪の地震の時は、ガス・水道が止まり休業しております。
そうした問題もあったため、(前期比)116パーセントというのは、これはこれでがんばったのではないかなと、逆に(そうした)自負もあります。
経常利益についてです。売上が伸びたらその分、販管費も安くなります。また、ビールの値上がりで0.5パーセントほど上がるのかな……利益率が悪くなるのかなと思ったのですが、ビールの値上げ分をいろいろな面で抑え、価格交渉して、結果として原価率が32.1%ですから、去年度とほぼ同じ水準の原価率というところで、経常利益は前年比120.7パーセントを達成できました。
貸借対照表概要
こちらが、貸借対照表です。
店舗数
店舗数は、9月末までに19店舗の新規出店を実施しました。また1店舗、新業態「やっぱステーキ!や」への業態転換も実施しました。
19.3期2Q以降 新規出店予定店舗
これが、現在工事に入っており、オープンが決定している店舗です。
将来目標
今後の取り組みです。「わたくし達は、3,000店舗、売上高1,800億円、日本一の居酒屋チェーンを目指します」が、将来の目標です。みんなでがんばって、今の約10倍まで成長しようということで、社内的に掛け声をかけて取り組んでいます。
中期目標
まず、500店舗、売上高300億円(を目指します)。9月末で301店舗ありますので、まずは中期計画目標として、500店舗までいこうと考えています。
田舎戦略(出店戦略・人事戦略)
戦略、戦術は今までと変わっておりません。「田舎戦略」「老舗理論」「地域リスクヘッジ」の徹底で、既存店売上高を100パーセント維持し、がんばって500店舗までもっていきたい。経常利益は10パーセント以上をずっと保っていきたいというのが、私どもの考え方です。
「田舎戦略」についてです。年間を通じて、一定以上の安定的な居酒屋需要が見込める地域、たとえば東海道、山陽、九州新幹線に隣接する市町村などで……また、ここが大事なのですが、私どもの業界というのは、社員は(人員が不足していて)困っています。ですから、従業員の雇用が可能な地域、とくにアルバイトさん、パートさん、フリーターの方を採用できる地域に店を出す。(駅の)乗降客が6千人以上のところに店を出すというのが、私どもの「田舎戦略」です。
老舗理論
「老舗理論」は、田舎に店を出すにあたり、大型店をつくるのではなく、30~40坪ぐらいで、サービスが行き届く、お客さんと近い中小型店を作るというものです。老舗とは、昔からそこにある、地域のみなさまに親しまれている店であり、それが私どもの老舗理論です。
そのような店を作ることによって、地元チェーンと競合せずに、地域一番店を目指せます。また私どもが店を出すことによって、地域が活性化します。田舎は案外、シャッター通りが多いのです。そこに私どもが出店すると、駅(を起点として、人)の動線が変わってくるのです。
さらに、基本的な店の作り方としまして、中から照らす行灯看板ではなく、表でライトをパパッと照らすようにして、店の前を明るくしています。田舎の駅のまわりは、夜はとても暗いですから、その店1軒だけが浮いて見えるのです。すると、隣(のお店)が明るくなってきて、シャッターが開いていく。このようにして、私どもが事業活動を通じて、地域発展・再生に貢献していると自負しています。
先ほど言いました老舗理論とは、地元の個人店・小型店の優位性と、チェーン店・大型店の優位性のいいとこ取りをしようというものです。これによって、地域に賑わいを取り戻します。
田舎戦略・老舗理論の効果
決算書を見ていただくとわかるのですが、家賃は(固定費での比率を)7パーセント台に維持しようとしていますが、現在は地代・家賃は6パーセント台です。通常の飲食店は、1割ぐらいで収まったらいいだろうと言われるのですが、7パーセント台に持っていくことにより、(残りの)3パーセントを原価にかけて、コストパフォーマンスをよくするという考え方で進めています。
田舎戦略の潜在市場規模①(6千人以上の乗降客数のある駅)
当社調べの(田舎戦略の潜在)市場は、4,327店です。想定売上高の2,777億円までが、今の私どもの戦略地域において出すことができる店で、いち早く500店舗までもっていきたいというのが、今の考え方です。
田舎戦略の潜在市場規模②(6千人以上の乗降客数のある駅)
これが田舎戦略です。今までは、1万人以上の乗降客と言っていました。九州・山口店から進め、去年から今年にかけて四国にも店を出したのですが、四国には、1万人以上の(乗降客数のある)駅は、確か2つしかありません。
今、四国には11店舗ございます。今までの実績からしまして、6千人以上の乗降客で十分ということで、基本は6千人以上の乗降客の駅で考えています。
出店目標
出店目標は、中期で500店舗。将来は3,000店舗までもっていきたいというのが、私どもの考え方です。
500店舗体制への構築①(8事業部体制へ)
この(スライドの)図が、現在の1つの完成形だと思います。これまで、各地域に事業部を設立しようと考え、東京・大阪・山陽・九州・静岡(の事業部)を順繰りで1つずつ、事業課を作りながら育ててきました。本年度までで、8事業部体制までもってこられたのが、私どもの現状の姿です。
そして、1年間に、1事業部で7店舗をオープンしたい。要するに、1つの地域で10軒も20軒も店を出すのではなく、1つの地域で最大7店舗……2ヶ月に1軒ぐらいのペースでお店を出せたらいいと考えています。それぐらいの考えで正社員を育てて、直営店で店を出していくというのが、今までの考え方で、1つのかたちができたのではないかと思っています。
500店舗体制への構築②(8事業部体制へ)
これが、私どもの戦略地域です。ピンク色のところは、出店している地域です。赤色のところは、まだこれから出店できるであろう地域です。私どもの田舎戦略を進める地域が、東海道・山陽・九州新幹線沿いのところです。宮崎にはまだお店は出ておりません。九州の中でも、ここに行くのが一番遠いのです。
宮崎まで行こうとしたら、鹿児島まで行って回るなど、けっこう大変なのです。しかし、すでに鹿児島に3店舗できており、鹿児島からでしたら宮崎にも攻め入れるだろうということで、戦略地域に入れました。
また、和歌山も大阪から遠いです。しかし、近くの堺までは店舗ができていますので、和歌山も、すぐそこまで迫ってきています。こうして面で抑えるということで、和歌山地域も戦略地域に入れました。関東は、東京の経済圏ぐらいにはお店を出したいというのが、私どもの考え方です。
建築事業部を有する強み
建築事業部についてです。私はもともと、建築屋を展開していました。後ほど、飲食店が大きくなってきて、建築会社を飲食店に取り込みました。子会社が親会社を吸収合併したかたちになっています。
もともとが建築屋ですから、私どもの会社の中にも建築事業部があり、その部門が私どものお店を建設しています。また、外部の仕事も一部担当しております。しかし、内部の仕事が忙しすぎて、なかなか外部に手が回っていないのが現在の状態です。
しかし、建築事業部があることによって、スピーディーな出店、業態転換、低コストでの出店などに柔軟に業態開発できております。
投資回収
投資回収についてです。1年から2年と書いていますが、早いところでは6ヶ月から1年以内に回収している店が多いです。基本的に、2年以内には全部回収できています。
新業態
今年、新たに始めました新業態「やっぱステーキ!や」です。英語では「Get's Steak」としております。両方とも、商標申請しており、「やっぱステーキ!や」単独と、「Get's Steak」も単独で、商標登録の申請をしております。
ほかのステーキ屋さんとどう違うのかと言いますと、ステーキの鉄板を各テーブルに配置しまして、(お店側で)レアで焼いたステーキを、(さらに)ご自分で焼いて食べていただくというものです。私は、この研究をするまではステーキは好きではなく、100グラムも食べれば十分という感じでした。
しかし、この赤い肉は脂肪分が少なく、食べられるんです。300グラムはペロッと食べて、毎日でも食べられます。オーストラリアやアメリカで肉が主食になっている意味が、この業態の開発を通じて、やっとわかりました。
第34期の取組
本年度は、「なぜ?から始まる仕組みづくり」がスローガンです。まず、地区・チームリーダー制の確立についてです。地区・チームリーダー制は、3店舗を1つのチームとして組み、そこで社員募集・パート募集を行い、チームリーダーをきっちり育てようというものです。また、それらが集まって、そのあとに事業部になっていくというものが、私どもの会社のシステム、やり方です。
そして、人材教育です。ともに育つ人材教育(ということで取り組んでいます)。店舗ガバナンスについては、コーポレート・ガバナンスの店舗バージョンとお考えください。そして、年に1店舗アップです。
さらに、新業態を開発。毎年、何かの業態を開発していこうということで、開発して、実験して、これでいけると判断したら、各事業部……九州・東京・大阪などの地区で(出店を)実施します。そこでさらに「これならいける」となれば、全国展開していくというのが、私どもの今までの進め方です。「ニパチ」も「屋台ずし」もそのように進めてきました。
以上です。どうもありがとうございました。
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