■今後の見通し
1. 2023年10月期の連結業績見通し
ジェネレーションパス<3195>の2023年10月期の連結業績予想は、売上高18,735百万円(前期比17.2%増)、営業利益325百万円(同339.4%増)、経常利益380百万円(同4.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益248百万円(同27.7%減)を見込んでいる。
同社グループを取り巻く経営環境は、コロナ禍による影響がいまだ不確実性を伴うことや、急激な為替変動、EC市場の継続的な拡大による競争の激化、エネルギー・原材料の高騰等、厳しい状況となっている。そのなかで、ECマーケティング事業においては、売上高と利益のバランスを取ったうえで新しい生活様式に対応させながら事業を拡大させるとともに、他社のECをサポートするECサポート事業にも注力する方針である。商品企画関連事業においては、商品提案及び新規顧客開拓を加速させつつ、自社グループでのプライベート商品の開発にも注力する。また、青島新綻紡貿易及びジェネパベトナムの稼働率を向上させ売上高及び利益の拡大に努めていく。ベトナムでは経済活動の回復が見られるものの、ジェネパベトナムではコロナ禍の影響による従業員の欠勤、サプライヤー側の停止によって原材料の輸入停滞、輸出のためのコンテナ確保にも苦戦しているようだ。しかし、経済活動の正常化が進むことによって改善傾向が本格化してくるだろう。青島新綻紡貿易においては、ゼロコロナ政策の緩和によって中国国内においてコロナ禍が続いている点は不安視される。しかしながら、こちらも経済活動の正常化が進むことによって回復に向かうものと見られる。
2. 事業戦略
同社のKPIの根幹となるのは、パートナー企業とパートナー企業が保有する商品となる。これらの商品に対して実施するデータマーケティングの精度を向上させるためには、より多くの商品データが必要である。国内の主要モールでの取扱商品数2.5億点程度のうち、同社はまずその1%(250万点)の商品の確保を目標として取り組んでいる(2022年10月期末で203万点超)。パートナー企業の増加は取扱ジャンルの拡大を意味し、商品数の増加はトップラインの増加につながり、さらに多数のパートナー企業や商品が集まってくる好循環を生み出すと同社では見ている。
(1) ECマーケティング事業
トップラインの拡大を主目的として、引き続き売れ筋商品に関するデータを基に様々なジャンルで商品数を増やすことに注力していくと見られる。加えてマーケティングデータに裏付けられたPB商品の開発を推進し利益率の向上を図る。また、ECサポート事業のためのノウハウの蓄積や開発技術の向上を目的として、同社で運用上の課題等を抽出しシステム化対応を続けていく。独自開発したGPMSの機能の高度化を行い、商品数、メーカー数、注文数の増加に対応するほか、システムの機能拡張、パフォーマンスの改善を行い、アライアンス業務、受発注業務のオペレーションのさらなる高速化を目指す。また上昇する配送コストの抑制や提携先倉庫の選択と集中を推進し、利益を確保する計画である。
(2) ECサポート事業
ECプラットフォームで蓄積されたビッグデータや高度な情報システムを活用し、EC事業を志向する企業のサポートを加速する。中期的には、収集されるビッグデータや構築された情報システム、EC運営ノウハウをパッケージ化し、リアルタイムでのマーケットへのアクセスを通じて日々更新していく。そしてこれらの施策を行うために、特にAI構築に精通するエンジニアの確保・教育に資源を投下する計画である。エンジニア人材の確保・育成においては、競争力の強化のためエンジニアの獲得を強化するとともに、エンジニアの成長を促す仕組みづくりを継続して行うとしている。
(3) 商品企画関連事業
商品企画関連事業においては、コロナ禍収束後を見据えて自社PBの開発に注力していくとともに、今までの国内顧客中心の体制から、海外子会社の中国及びベトナムを利用した中国及び欧米の顧客に向けた体制への移行を目指し開拓を開始する。中長期的には国内顧客を維持しつつ、海外顧客の割合を同程度まで増加させ安定的な拡大を図る計画だ。両国ともにコロナ禍による経済活動の低下から徐々に回復する見通しで、2023年10月期以降はさらに売上面・利益面で寄与することが見込まれている。事業計画の達成に向けた施策として、売れ筋商品に関するデータを基に様々なジャンルで商品数を増やし、高利益率を見込んだオリジナル商品を開発し拡大を目指す。また、商品開発のスピードを加速させるほか、子会社工場にて品質管理人材の確保・育成の場を作り、新規協力工場に派遣できる人材に成長させ、協力工場の品質の維持向上を図る方針である。
(4) その他
収益事業として、売上高・利益の拡大を加速するためビッグデータ分析のさらなる活用環境を整備するほか、MISフレームワークを活用し、分析精度の向上を目指す。また横展開として、複数メディアジャンルの立ち上げをねらう。複数のサイトに同社の分析ノウハウを適用することにより、売上高・利益の拡大を加速させる計画である。事業計画の達成に向けた施策として、ECマーケティング事業で取得できる売れ筋に関するデータを基に商品選定を行い、想定読者のニーズに合致した商品紹介を促進していく。記事のSEO対策としては、検索キーワードのボリューム・難易度から想定読者と流入数を推定するノウハウを用いて、記事ジャンルの多角化を図る。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<NS>
1. 2023年10月期の連結業績見通し
ジェネレーションパス<3195>の2023年10月期の連結業績予想は、売上高18,735百万円(前期比17.2%増)、営業利益325百万円(同339.4%増)、経常利益380百万円(同4.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益248百万円(同27.7%減)を見込んでいる。
同社グループを取り巻く経営環境は、コロナ禍による影響がいまだ不確実性を伴うことや、急激な為替変動、EC市場の継続的な拡大による競争の激化、エネルギー・原材料の高騰等、厳しい状況となっている。そのなかで、ECマーケティング事業においては、売上高と利益のバランスを取ったうえで新しい生活様式に対応させながら事業を拡大させるとともに、他社のECをサポートするECサポート事業にも注力する方針である。商品企画関連事業においては、商品提案及び新規顧客開拓を加速させつつ、自社グループでのプライベート商品の開発にも注力する。また、青島新綻紡貿易及びジェネパベトナムの稼働率を向上させ売上高及び利益の拡大に努めていく。ベトナムでは経済活動の回復が見られるものの、ジェネパベトナムではコロナ禍の影響による従業員の欠勤、サプライヤー側の停止によって原材料の輸入停滞、輸出のためのコンテナ確保にも苦戦しているようだ。しかし、経済活動の正常化が進むことによって改善傾向が本格化してくるだろう。青島新綻紡貿易においては、ゼロコロナ政策の緩和によって中国国内においてコロナ禍が続いている点は不安視される。しかしながら、こちらも経済活動の正常化が進むことによって回復に向かうものと見られる。
2. 事業戦略
同社のKPIの根幹となるのは、パートナー企業とパートナー企業が保有する商品となる。これらの商品に対して実施するデータマーケティングの精度を向上させるためには、より多くの商品データが必要である。国内の主要モールでの取扱商品数2.5億点程度のうち、同社はまずその1%(250万点)の商品の確保を目標として取り組んでいる(2022年10月期末で203万点超)。パートナー企業の増加は取扱ジャンルの拡大を意味し、商品数の増加はトップラインの増加につながり、さらに多数のパートナー企業や商品が集まってくる好循環を生み出すと同社では見ている。
(1) ECマーケティング事業
トップラインの拡大を主目的として、引き続き売れ筋商品に関するデータを基に様々なジャンルで商品数を増やすことに注力していくと見られる。加えてマーケティングデータに裏付けられたPB商品の開発を推進し利益率の向上を図る。また、ECサポート事業のためのノウハウの蓄積や開発技術の向上を目的として、同社で運用上の課題等を抽出しシステム化対応を続けていく。独自開発したGPMSの機能の高度化を行い、商品数、メーカー数、注文数の増加に対応するほか、システムの機能拡張、パフォーマンスの改善を行い、アライアンス業務、受発注業務のオペレーションのさらなる高速化を目指す。また上昇する配送コストの抑制や提携先倉庫の選択と集中を推進し、利益を確保する計画である。
(2) ECサポート事業
ECプラットフォームで蓄積されたビッグデータや高度な情報システムを活用し、EC事業を志向する企業のサポートを加速する。中期的には、収集されるビッグデータや構築された情報システム、EC運営ノウハウをパッケージ化し、リアルタイムでのマーケットへのアクセスを通じて日々更新していく。そしてこれらの施策を行うために、特にAI構築に精通するエンジニアの確保・教育に資源を投下する計画である。エンジニア人材の確保・育成においては、競争力の強化のためエンジニアの獲得を強化するとともに、エンジニアの成長を促す仕組みづくりを継続して行うとしている。
(3) 商品企画関連事業
商品企画関連事業においては、コロナ禍収束後を見据えて自社PBの開発に注力していくとともに、今までの国内顧客中心の体制から、海外子会社の中国及びベトナムを利用した中国及び欧米の顧客に向けた体制への移行を目指し開拓を開始する。中長期的には国内顧客を維持しつつ、海外顧客の割合を同程度まで増加させ安定的な拡大を図る計画だ。両国ともにコロナ禍による経済活動の低下から徐々に回復する見通しで、2023年10月期以降はさらに売上面・利益面で寄与することが見込まれている。事業計画の達成に向けた施策として、売れ筋商品に関するデータを基に様々なジャンルで商品数を増やし、高利益率を見込んだオリジナル商品を開発し拡大を目指す。また、商品開発のスピードを加速させるほか、子会社工場にて品質管理人材の確保・育成の場を作り、新規協力工場に派遣できる人材に成長させ、協力工場の品質の維持向上を図る方針である。
(4) その他
収益事業として、売上高・利益の拡大を加速するためビッグデータ分析のさらなる活用環境を整備するほか、MISフレームワークを活用し、分析精度の向上を目指す。また横展開として、複数メディアジャンルの立ち上げをねらう。複数のサイトに同社の分析ノウハウを適用することにより、売上高・利益の拡大を加速させる計画である。事業計画の達成に向けた施策として、ECマーケティング事業で取得できる売れ筋に関するデータを基に商品選定を行い、想定読者のニーズに合致した商品紹介を促進していく。記事のSEO対策としては、検索キーワードのボリューム・難易度から想定読者と流入数を推定するノウハウを用いて、記事ジャンルの多角化を図る。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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