最も重要な経営課題であるストック収益は順調に拡大した。一方、フロー収益は、第3四半期に大きく影響を受けたオミクロン株の感染拡大が収束傾向となったものの、本格的な回復には至らなかったことから、第4四半期業績は想定以上の影響を受けた。このような事業環境下でも、方針を堅持し戦略投資を計画比で拡大した。
ITサブスクリプション事業の売上高は前期比18.6%増の34.93億円、セグメント利益は同21.2%減の4.06億円となった。第4四半期は、上期の好調な受注が売上高に順次計上された結果、売上高が拡大した。また、通期の受注額は、前期比で倍増した。
ITAD事業の売上高は前期比10.4%減の19.39億円、セグメント利益は同23.9%減の5.74億円となった。第4四半期はオミクロン株が収束傾向となり商談は一部回復したが、部材の需給逼迫により新品調達が難航した影響等で、企業や官公庁の排出が想定以上に鈍く、入荷台数は前年同四半期比で減少した。これによりITAD事業の業績が影響を受けた。この結果、第4四半期会計期間・通期とも減収・減益となったが、3月から本番運用を開始したIT機器専門ネットオークションによる販売単価のアップ、またセンター業務のデジタル化等による業務効率化が収益性向上に寄与した。
コミュニケーション・デバイス事業の売上高は前期比37.2%減の0.78億円、セグメント損失は0.66億円(前期は0.33億円の損失)となった。第4四半期は需要は回復傾向にあった。2022年5月の大型連休は近場旅行が目立ったが、今後はイヤホンガイド(R)を利用する遠距離の高単価旅行が主流になる見込みである。2020年5月に日本旅行業協会から発表された「旅行業における新型コロナウイルスガイドライン」による感染症対策として「ガイドレシーバーを利用したガイディング等を行うこと」は変わらず維持されており、旅行代理店や観光名所からのイヤホンガイド(R)への問い合わせは続いているという。
2023年5月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比10.8%増の61.00億円、営業利益が同17.0%増の4.00億円、経常利益が同12.2%増の3.75億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.5%増の2.36億円を見込んでいる。
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