2. 業界環境
水産練り製品とは、蒲鉾やちくわ、さつま揚、はんぺんなどを総称した食品で、主原料の魚肉をすり潰し、調味料などを加えて練ったものを加熱したものである。アジア各地で古くから作られてきたが、原材料となる魚が各地で異なることから国内でも様々な種類の水産練り製品が存在する。紀文食品<2933>によると、水産練り製品の生産量はピークの100万トン強からは減ったものの、2010年代以降、良質なタンパク質や手軽な惣菜として注目され、40万トン台で安定して推移しているようだ。同社は日本各地の水産練り製品を取り込んでいち早くフルライン化し、チルド物流サービスや販売手法を確立したことで、約3,000億円と言われる国内水産練り製品市場でトップシェアを獲得するに至った。一方、健康食である魚食の1つとして海外で需要がオーガニックに拡大していることを受け、海外事業にも注力している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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