国内食品事業の売上高は前年同期比9.8%増の167.39億円、セグメント損失は1.94億円(前年同期は4.29億円の損失)となった。売上面では、食品小売り市場に向け主力である水産練り製品が、簡便・即食で内食需要に合致した家庭用備蓄食材として、価格改定後も引き続き堅調に推移した。一方で、競争環境の厳しい中華惣菜や、他の健康志向商品の伸長による影響を受けた麺状商品の売上が減少した。また鶏卵の供給不足に伴い、レトルトおでんセットや玉子加工商品に対し一時出荷中止や数量制限を行ったことで売上が減少した。商事部門では、前期からの好調な販売状況を継続し、農畜産品などの取扱い商材が伸張した。利益面では、鶏卵価格の高騰をはじめとして資材、エネルギーなどのコストは依然として高い水準にあるものの、本年2月末に実施した価格改定の浸透が進むとともに主原料のすり身価格が落ち着きを取り戻しつつあることで、増益となった。
海外食品事業の売上高は前年同期比23.0%減の25.64億円、セグメント利益は同42.9%減の1.60億円となった。売上面では、北米市場では昨年後半からサプライチェーンの正常化に伴う在庫調整と物価高による消費者の低
価格志向が顕在化したこと、さらに中国市場ではゼロコロナ政策から転換したものの不動産市場の減退や雇用不
安により景気回復が遅れ消費も低迷していること等が影響した。利益面では、惣菜や農畜水産品などの仕入商材は堅調に推移したものの、自社製品の売上減の影響が大きく減益となった。
食品関連事業の売上高は前年同期比2.8%増の43.95億円、セグメント利益は同15.3%増の0.58億円となった。売上面では、当事業セグメントの中心である物流事業において、新型コロナウイルス感染症が5類に移行した
ことで人流が回復し、外食店舗や駅ビル・百貨店向け等の取扱い物量が増加した。また新規取引先の開拓や既存業務の拡大も奏功し、増収となった。利益面では、物流センターの空調管理用電力費が高い水準になっているものの、物量増による売上増と料金改定の効果、配送効率の向上や販管費用削減の取組みにより増益となった。
2024年3月期通期の連結業績予想については、売上高は前期比1.2%増の1,069.63億円、営業利益は同83.3%増の37.07億円、経常利益は同79.4%増の31.59億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同330.1%増の19.03億円とする期初計画を据え置いている。
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