【株価分析結果】2011/10/18 01:16
　割高

　株価　380,000円（18日11：00現在）
　BPS　151,429円　PBR　2.50倍
　EPS　　15,141円　PER　25.09倍
　（予想EPS　16,100円　予想PER　23.60倍）

　現時点で、会社純資産の倍以上の価格で取引されている一方、
　安定して利益を創出しておりますが、
　現在の価格に対しては、かなりの低水準となっております。

　配当性向は概ね40～50％程度であり、
　仮に予想利益を向こう５年間継続したと仮定して、
　配当を差し引いた分を内部留保した場合の
　５年後の想定純資産は
　（16000円-8000円）×5年＝40000円
　151400円+40000円＝191400円

　純資産利益率は概ね10％程度である為、
　これを5年複利で計算すると、1.61倍
　5年先くらいの想定純資産価値で評価すると
　191400円×1.61倍＝308154円

　将来的な予測不能性というものを考慮すると
　それ以上の期間を取った場合は、
　ますます誤差が大きくなる為、
　JTの利益を鑑みると、５年程度が
　概ね妥当ではないかと存じます。

　これは、あくまで理論的な数値である為
　絶対的な数値ではありません。
　ただし、保守的な投資基準に照らし合わせた場合、
　上記のような価格が算出されます。

　また、一方で、５０％の政府株放出との事ですが、
　現在のJT時価総額は、3兆8千億円程度
　現在の時価に応じた市場流出価格は、1兆9千億円

　その放出分を自社株買いにて賄うとの事ですが
　現在の会社キャッシュフローは3千億円程度との事なので
　流出額に対して、まったく釣り合っておりません。

　会社のファイナンス上、キャッシュフローを
　全額、自社株買いに当てるというのは有得ません。

　経営の自由度の向上という事象を
　過大評価し株価は上昇しておりますが、
　株式の市場流出分の大きさを考えると、
　十分な売り圧力となり、
　更に株価の買い支えも困難であると想定されます。

　仮に経営の自由度が向上したからと言って
　それは現時点では不確定な期待である為
　それが必ずしも、業績の向上に繋がるとは
　現時点で判断することは難しいかと思われます。

　更に、もっとも高い売上比率を占める
　国内たばこ販売についても、
　増税や、喫煙者数の低下等
　事業環境は視界良好とは言い難い状況です。

　以上の理由から、JT株の現在の価格は
　「割高」であると、私は判断します。