昭和産業<2004>の2021年3月期業績については、売上高256,000百万円(前期比0.8%増)、営業利益8,400百万円(同4.6%減)、経常利益9,200百万円(同9.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益6,500百万円(同3.9%減)とする計画を据置いている。コロナ禍による影響が第2四半期まで続くと想定しており、売上高で4,600百万円、営業利益800百万円、経常利益800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で600百万円程度の下振れ影響を考慮している。
セグメント別では、製粉事業はコロナ禍の影響により、外食、給食、レジャー施設、土産品等で消費される製品群は大幅に減少する見込みで、売上高1,200百万円、営業利益300百万円の下振れを想定している。油脂食品事業では、売上高2,700百万円、営業利益400万円の下振れを想定しており、業務用は外食需要減退の影響を受け、油脂、業務用プレミックスが減少するとしている。家庭用では内食需要の高まりにより、プレミックスの増加傾向は継続すると見込んでいる。糖質事業については、ビール向けの販売が減少するものの、宅配需要増に伴う工業用コーンスターチの需要増が見込まれるほか、市況に左右されない機能性製品の拡販により、売上高300百万円の下振れ、営業利益への影響は軽微(0百万円)と見ている。飼料事業では、畜産物は外食用の需要減退の影響を受け減少する見込みだが、配合飼料については大きな影響はないとしており、売上高400百万円の下振れ、営業利益への影響は軽微(0百万円)としている。
今後のコロナ禍の動向次第ではあるが、学校再開に伴う給食需要は回復が見込まれるほか、国が経済活動を再開させる政策動向もあり、同社の業績は改善すると弊社では考えている。また、経済活動が再開されたとしても、コロナ禍の影響により、しばらくは内食需要が長期的に伸びることが予想される。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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