<話題の焦点>=新たな活用法で注目を集めるCATV
まず、全国のCATV事業者約370社が加入する日本ケーブルテレビ連盟では、CATV利用世帯に対して共通IDを付与する予定だ。これにより、事業者はIDを通じてサービスの課金や決済機能を共有することになる。例えば加入者が引っ越した場合、希望すれば転居先のCATV事業者に契約情報が引き継がれ、引っ越し前と同じ番組やサービスを利用することができるようになる。テレビ通販やインターネットを使った新たなサービスにも活用される見通しだ。
また、ケーブルIDとマイナンバーをひも付けることによる、行政サービスも始まろうとしている。「セットトップボックス」(STB)と呼ばれるCATVの受信機とマイナンバーを連動させ、リモコンで住所や氏名などマイナンバーカードの情報を送信することで、テレビを通じて子育て支援を申し込むといったサービスを構築する。
さらに、災害時の避難情報への活用も検討されている。マイナンバーを活用することで、市町村は対象の視聴者を特定し、テレビの画面上に避難場所や避難勧告の内容などを配信する。近年増加しているゲリラ豪雨では、土砂崩れなどの二次災害も増えており、きめ細かい情報を発信することで、避難誘導や安否確認につなげる方針だ。
総務省では、マイナンバーに対応した受信機を19年までに10万台普及させる目標を掲げている。前述のようにサービスや活用法が広がることによって、利用者層が広がる効果も期待できるだけに、CATV事業者向けのシステム構築を行うシンクレイヤ<1724.T>や、CATV加入者管理システムのNECネッツエスアイ<1973.T>、ケーブルテレビ事業者向けの伝送路管理システムを手掛けるネクストウェア<4814.T>、CATV向けIP-STBのピクセラ<6731.T>、CATV機器やアンテナなどを展開する日立国際電気<6756.T>といった関連銘柄には、需要増加の思惑も働くだろう。
出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)
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