(3) セグメント別受注状況
建築設備事業全体の受注高は95,333百万円(前年同期比5.5%減)と微減であったが、2022年3月期同期比では37.8%増となっており、依然として高い水準を維持していると言える。サブセグメント別では、ビル空調衛生は27,063百万円(同25.6%減)となったが、前年の第2四半期に大型案件を獲得したことから前年同期比では大きく落ち込んでいるが、2022年3月期同期比では0.9%増となっており、決して悪い内容ではなかった。産業空調の受注高は42,792百万円(同1.3%減)となったが、2022年3月期同期比では95.0%増となっており、半導体業界やEV電池関連を中心に依然として高い受注が続いている。電気は16,938百万円(同29.0%増)と堅調に推移した。ファシリティシステムも8,539百万円(同29.0%増)となり、こちらも引き続き堅調に推移した。
プラント設備事業の受注高は28,885百万円(前年同期比69.7%増)と好調であったが、特に環境システムの大型・長期の案件が寄与した。サブセグメント別では、機械システムの受注高は5,028百万円(同6.1%減)となり、まずまずの結果であった。一方で環境システムの受注高は23,856百万円(同104.5%増)と大幅増となった。これは、前期に手持ち工事が豊富であったことから受注を意図的にある程度抑制したことの反動でもあるが、大型案件を獲得した2022年3月期同期(21,331百万円)を上回っており、かなり高い水準と言える。設備工事以外の受注高は、不動産事業1,242百万円(同0.5%増)、その他は301百万円(同24.3%増)となった。
この結果、調整額を含めた2024年3月期第2四半期の総受注高は125,381百万円(前年同期比5.4%増)となり、期末の次期繰越高は224,348百万円(前年同期末比14.4%増)となった。この水準は、同社が第2四半期決算を発表するようになってからの過去最高水準である点は注目される。業種別では、自動車、医薬、機械、金融・保険、サービス、官公庁などの伸びが高かった。
大型案件(10億円以上)の受注は、計10件、41,415百万円であった。受注件数は、前年同期の13件から10件へ減少しているが、金額は前年同期比17.0%増、1件当たり平均金額は4,142百万円(前年同期は2,724百万円)となっており、案件が大型化してきたことがわかる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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