1.背景・経緯
(1)気候変動や資源枯渇の問題が深刻化する中、日本の豊かな森林資源の活用が注目されています。森林資源の活用には適切な伐採をはじめとした森林管理が必要とされており、伐採した木々の多くは木材として利用されていますが、人工林の約44%を占める杉材は強度不足により、梁などの構造材への使用が限られていました。
(2)また、杉材を梁に用いるには、耐震性などを確保するために多くの柱や壁で支える必要がある一方、近年は柱や壁が少なく、室内を自由にアレンジできる住宅へのニーズが高まっています。そのため、森林資源の活用を促進するには、耐震性を有しながら柱や壁が少ない木造住宅の実現が課題となっています。
(3)こうしたなか、国産木材と炭素繊維を組み合わせた高機能繊維強化集成材「LIVELY WOOD(ライブリーウッド)」を展開してきた帝人は、森林資源の有効活用や社会が求めるニーズに対応するため、建材の販売のみならず、自然環境を暮らしに取り入れて人々に活力を与える空間の提供を目指すプロジェクトを立ち上げました。そして、自然と人が調和する木造住宅ブランド「LIVELY VILLA」の展開に向けて、協業するパートナーを探していました。
(4)一方、サステナブルな住まいづくりを通じて豊かな暮らしおよび地域の幸せの実現と、地球環境への配慮に貢献することを目指す当社は、国産杉材の新たな需要を創出することで、日本の林業の活性化や地域経済の発展だけでなく、森林の適切な管理による環境保全にも寄与することに向けて協業するパートナーを探していました。
(5)こうした両社の考えが一致し、このたび戦略的パートナーシップを締結しました。
2.戦略的パートナーシップについて
(1)帝人は、自社が有する建材やライセンスを活用した新しい住宅の企画および設計を行います。一方、当社は、独自の販売チャネルを活かし、今後帝人が企画・設計する住宅の販売を行います。
(2)両社は、顧客ニーズを把握し、最適なプロモーション活動を行うことで「LIVELY VILLA」のブランド価値向上を図ります。
(3)パートナーシップの第一弾として、室内に大空間を確保するとともに、「LIVELY WOOD」を使用することで、軒先に柱を用いずに広い軒下空間を実現した「LIVELY VILLA Noki(ライブリーヴィラ ノキ)」の展開を開始します。
3.パートナーシップの第一弾「LIVELY VILLA Noki」について
(1)「LIVELY VILLA Noki」は、木材の2倍以上の剛性を持つ「LIVELY WOOD」を、屋根を支える垂木(たるき)として使用した初めての木造住宅(*)です。軒先に向かって3mの深い軒下を確保したデザインで、室内と屋外をゆるやかにつなぎ、自然と調和した生活を実現します。
(2)また、「LIVELY VILLA Noki」の室内は、柱や壁が少ない大空間となっているため、ライフスタイルや価値観に合わせて自由にアレンジすることも可能です。
(*)「LIVELY WOOD」を用いた本建築物の構造は国土交通大臣の認定を取得しています。
山や海に面した「LIVELY VILLA Noki」(実際の設計に基づいたCGイメージ)
【ご参考:LIVELY VILLA Nokiウェブサイト】 URL:https://lively-villa.jp/
4.今後の展開
(1)2025年1月より、当社が「LIVELY VILLA Noki」の販売を開始します。また、2025年4月には、福岡県糸島市と熊本県阿蘇郡西原村にそれぞれ1棟のモデルハウスを開設して販売する予定です。
(2)両社は、「LIVELY VILLA Noki」に続く新しいシリーズの展開を計画しており、「LIVELY VILLA」ブランドのプロモーション活動や、国内の工務店や住宅メーカーとの連携を進めることで、2030年までにシリーズ累計1,000棟の販売を目指します。
(3)両社は、本取り組みを通じて、森林資源の活用と人々の豊かな暮らしの実現を目指します。
(4)当社は、当商品の開発と市場開発を通じて、SDGs番号11「住み続けられるまちづくりを」、SDGs番号12「つくる責任つかう責任」、SDGs番号13「気候変動に具体的な対策を」、SDGs番号15「陸の豊かさも守ろう」及びSDGs番号17「パートナーシップで目標を達成しよう」の実現に努めてまいります。
■帝人株式会社
会社名: 帝人株式会社 (Teijin Ltd.)
代表者: 代表取締役社長執行役員 内川 哲茂
本 社: (東京本社)東京都千代田区霞が関三丁目2番1号 霞が関コモンゲート西館
(大阪本社)大阪府大阪市北区中之島三丁目2番4号 中之島フェスティバルタワー・ウエスト
創 立: 1918年(大正7年)6月17日
資本金: 71,833百万円
売上高: 1,032,773百万円(2024年3月期)
事業内容: マテリアル事業、ヘルスケア事業、繊維・製品事業 他
■Lib Workについて
当社は、「暮らしを変える、世界を変える、未来をつくる」というスローガンのもと、「サステナブル&テクノロジーで住まいにイノベーションを起こす」というミッションの実現に向けて、戸建て事業に留まらず多角的に事業展開しています。
デジタルマーケティング分野では、土地探しの「e土地net」をはじめとした一定のカテゴリーに特化したサイトや、YouTubeチャンネル「Lib Work ch」の運営などを通し、ニーズに合わせた集客戦略を展開。また全国の工務店向けサブスクリプション型事業として、新築住宅プランの提案システム「マイホームロボ」の開発をはじめ、「ALC/アダストリア・ライフスタイル・クリエイション」と共同開発した戸建て商品「niko and ... EDIT HOUSE」のIPライセンス販売などのプラットフォーム事業も行っています。
さらにサステナブルな取り組みとして、3Dプリンターハウスも研究開発中。持続可能な未来に向けた取り組みを日々行っています。
会社名:株式会社Lib Work ( https://www.libwork.co.jp )
代表者:代表取締役社長 瀬口 力
本店所在地:熊本県山鹿市鍋田178-1
設 立:1997年8月1日
資本金:13億2150万円
事業内容:戸建住宅事業・プラットフォーム事業・3Dプリンターハウス事業
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