収益増額、復配体制も整う
・イクヨ(7273)
「変化率妙味大」の割安株としてイクヨ(7273)に注目したい。
三菱自動車・三菱ふそう・日野自動車向けを中心に自動車内外装部品を製造。合成樹脂製品や金型製造などを柱とする同社。
中国などからの訪日外国人のツアー団体客利用に加え、日本人シニア層による国内ツアーの利用も堅調な観光バス業界。また、トラック業界も東京オリンピックに向けて都市部の再開発や復興需要など、大型トラック・バスメーカーがフル生産を続ける程の活況をみせているが、その製造を陰で支える立役者的存在といえよう。
16年3月期業績は、売上高115億4800万円(前期比9.7%増、従来101億700万円)、営業利益7億2600万円(同20.3%減、同4億7800万円)、経常利益7億1100万円(同14.4%減、同4億7600万円)、純利益7億3000万円(同24.4%減、同4億2200万円)に引き上げられた。
利益面は前期急伸の反動もあり減益見通しながら、9月中間期までの進捗率が営業利益52%、経常利益53%、純利益61%と、いずれも50%を超過していることなどを勘案すると「減益幅が縮小されてくる可能性は十分ある」といえるのではないだろうか。
また、ここ数年の収益回復で現預金残高が急拡大している注目すべき点だろう。
14年3月期5億7900万円、15年3月期7億8800万円、16年3月期は13億1000万円に達する見通しとなっており、既に解消済みとなっている繰越欠損金とあわせ、いよいよ「復配体制が整う」ことになろう。
無配を継続してきた銘柄が復配を果たす際の「変化率妙味」は大きい事が想定される。時価はPER4倍台と割安顕著もいいところで、中長期スタンスでの値幅妙味は大きいと言えるのではないだろうか。今後の動向に注目したい。
本村