「12・16」前後で投資姿勢を変えるべき?
このニュースを受けたNY市場の動きは「株買い・ドル買い」フローとなり、以前見られたような構図(=株売り・ドル買い)とは異なることからも、マーケットという生き物はいかに先行き不透明感を嫌い、明確なロードマップを好むかということがはっきり示されたような気がします。
相場に「絶対」という二文字は存在し得ないことは前回のコラムでもお伝えした通りですが、多くの市場参加者は「12・16」が“リフト・オフ”(=離陸)ポイントと想定していることもあり、“永遠のゼロ”からの脱却地点まではリスク・オン(=リスク選好)姿勢で相場に臨むであろうことは容易に想像がつきます。
今後一ヶ月間、余程の環境変化がない限りは多くの投資家(特にファンド勢)ランナーたちは、マラソンに例えると“2015年投資レース”のゴール間近の最終直線トラックを我先にと殺到してくる可能性も。
特に、今年の夏場の“チャイナ・ショック”で少なからず痛手を負ったファンド勢の捲土重来を期す鼻息も聞こえてきそうなこの時期ですが、我々が大いに注目すべきは・・・「12・16」後の世界。
前回のレポートでもお伝えした通り、1971年以降の「FF金利」「NYダウ平均」「ドル/円」の関係性の俯瞰的分析をすると、FF金利とドル/円の動きは「反比例」、FF金利とNYダウ平均の動きは「正比例」となっているケースが多く見られます。
繰り返しながら、経済環境や相場動向は様々な要素や力学が絡み合うという前提条件の下、一つの選択肢として取り得る投資スタンスは・・・「12・16」までの積極的な“リスク・オン”方針。
そしてドル/円のロング・ポジションについては「12・16」までに一部縮小し、NYダウ平均との相関係数が比較的高いNZドル/円のロング・ポジションについては継続保有(ないしは押し目狙いor“ピラミッディング”)してみるのも一案。
次週のサンクスギビングデー(11/26)からクリスマスにかけては市場参加者が減少し、想定以上の値動きをする可能性も視野に入れつつ、「12・16」を座標軸とした作戦を虎視眈々と練ってみてはいかがでしょうか?