世界の穀物市場を支配する、米穀物メジャー「カーギル」が大株主
■今回の注目銘柄■
・日和産業(2055)
以前にもJA全中解体で取り上げた日和産業(2055)を、超割安なTPP関連銘柄として再注目したい。
前回予想で取り上げた岩崎電気(6924)は日足一目均衡表の雲(抵抗帯)抜け後も順調に下値を切り上げる格好で推移している。岩崎電気は植物工場の切り口などから推奨したが、今回の日和産業はTPP大筋合意を背景とした「飼料関連株」としての材料性に着目した。
同社は非全農系で多様な飼料を製造販売している。「京鴨」用飼料が代表例である。京鴨への高い評価は全国的な広りをみせており、その京鴨を育成する同社飼料に対するブランド力も連動して高まっている格好だ。
TPP大筋合意で、これから安価な海外農作物や食肉が押し寄せる見通しとなっており、今後は安全で高品質な商品への見直しが進む公算が大きいだろう。また、農協がTPPに反対姿勢を示してきた事は既に周知となっているが、同社は非全農系の位置付けとなっていることから、これまで身に着けてきた競争力が発揮できる環境が整ってきたと言うこともできそうだ。
また、西日本を地盤とする同社は鹿児島・長崎・兵庫に農場も擁していることから「畜産事業の展開力」もある。TPP大筋合意後のニュースフローで畜産関連が人気となった際の活躍素地も十分に備わっているといえよう。
業績面では、16年3月期9月中間期は、売上高230億円(前年同期比2.7%減)、営業利益3億円(同0.5%増)、純利益2億5000万円(同6.8%増)の計画。一方で第1四半期(15年4-6月)は売上高117億3800万円(前年同期比0.9%減)、営業利益3億5500万円(同31.1%増)、純利益2億5600万円(同28.2%増)と、利益面は計画超過での通過となっており、来月11月12日に発表予定の中間決算発表に向け、思惑先行で今後の注目が集まる事となろう。
株価は240円近辺を上値とした下値もみ合いを経て、全体相場の切り返しに合わせる格好で下値切り上げ型のパターンに移行しつつある。日足の一目均衡表では雲の中に突入にしており、雲抜け後の値幅示現に期待したい。時価のPBRは0.2倍台と「超割安水準」にあり、利益剰余金を125億円有する点などを勘案すると「化ける要素は十分」ともいえる株価なのではないだろうか。
更に、世界の穀物市場を支配する米穀物メジャー「カーギル」が大株主として名を連ねている事を見逃してはいけない。TPP解禁後はカーギルから穀物を格安で仕入れ、国内で加工して販売する可能性もあり、そうなれば化けるから「大化け」となるだろう。今後の動向に注目したい。
本村