過去6か月で最も下落率が大きかった銘柄に注目
■注目銘柄
┗日本ペイントHD(4612)
時価総額が1000億円以上の主力株のうち、過去6ヶ月間の下げが最も大きかったのが同社です。下落率は51%と株価が半分にまで下落しています。
筆頭株主でシンガポールの塗料大手ウットラムから、中国やマレーシアなどアジアの合弁会社の株式を買い増し、アジアのウエートが高まっています。
今年4月~6月の売上高はアジア合弁企業の連結化により、前期比92%増の1200億円と大きく伸びました。
経常利益は同40.7%増の146億円と急伸していますが、アジア比率が高まったことで、中国での売上比率が高い企業との認識が広がり、株価はさえない推移が続いています。
同社はウットラムとの合弁企業を買収するにあたって、ウットラムを引き受け先とするおよそ1000億円の第三者割り当て増資を実施し、発行済み総数は22.6%増加しました。
一方、16年3月期の連結経常利益は55%程伸びる見通しで、希薄化率(22.6%)を大きく上回っています。
9月30日(水)は四半期の締めとなり、機関投資家が7~9月の運用成績の取りまとめを行います。
持ち株の評価損を少しでも減らすために、持ち株に買いを入れるいわゆるドレッシング買いが入りやすいことが考えられますが、大きく下落している銘柄程、反発力が強まる可能性があります。
また、10月1日から欧米は新年度となります。新年度入りした機関投資家のフレッシュマネー流入も見込まれそうです。
小野山 功