今が大底!赤字からの浮上劇がこれから始まる!!
市場は中国問題に端を発し、大きなボラティリティの波にさらされている。
中小型株が浮上するタイミングについては、それほど遠くはないだろうが、もちろん、すべての中小型銘柄に浮力が与えられるわけではない。
当然、真っ先に狙われるのは、業績やテーマにインパクトが出るような企業だ。
業績が間違いなく対前期で様変わりになる銘柄、大きなテーマに属し、実績が出てきた銘柄などを探す動きは、すでに出始めている。
そういった銘柄群の一つに、アエリア(3758東証JQS)も挙げられる。
ゲーム事業へ進出した後には、「業績が読みづらいゲーム関連企業」というイメージがあったアエリア(3785)だが、今年3月に、電子書籍等販売の「インフォトップ・キャピタル」、4月にゲームソフトの開発力に実績と定評のある「リベル・エンタテイメント」、さらに9月には女性向けコンテンツに強みを持つ「アスガルド」を完全子会社化し、グループとして、安定的な収益を獲得する部門と、爆発力がある部門の双方に、次々に手を打ってきた。
これらの買収発表前には、株価は1000円から1500円を往来する銘柄だったが、3月4月の発表後、株価はしばらく、1500円から3000円の間を上下するようになっていた。
しかし、今回の市場の急落に伴い、株価は再度1000円近辺まで下落した。
一方で、買収による成果は水面下で着々と進んでいるようだ。
従来、アエリアの連結事業は、
① 比較的手堅く利益を出す「ITサービス」事業
② 他社で実績があるIPを活かす、中程度のリスクのオンラインゲーム事業
③ 最もハイリスクハイリターンの自社IPオンラインゲーム事業
に分けて考えることが出来る。
その中で、前期までは、②と③で9億44百万円の赤字、①で83百万円の黒字、連結で861百万円の赤字、という内容だった。
しかし、今期、「インフォトップ・キャピタル」と「リベル・エンタテイメント」の業績には、大きな期待が持てる(アスガルドは、今期は連結期間が短いので来期に期待)。
インフォトップは、今期、「ITサービス事業」の7割を占めるが、元々、売上20億円、営業利益5億円程度の実力がある。しかも足下は非常に好調のようだ。
また、一方の「リベル・エンタテイメント」が開発・運用する「アイ★チュウ」のDL数が30万を超え、こちらも、数値的には不明だが月次で5000万円から1億程度の売上レンジが狙えるだろう。
「リベル・エンタテイメント」はその業界では有名な存在で、主に女性ライトユーザー向けに高い支持がある。近時、日本のゲーム業界をけん引してきたとされる一部タイトルには、勢いに陰りが見えるが、ヘビーユーザーに徹底して課金を促進する、という「ビジネスモデルのいきすぎ」は、確かに修正されつつある。しかしそれ以外の裾野のユーザー動向にはそれほどの需要減退は見られないのではないか。
これらの見通し(インフォトップとリベル・エンタテイメント、来期にはアスガルドの連結業績寄与)が現実となれば、今期、ゲーム事業の赤字が6億~7億程度まで下がり、ITサービスが4億~5億程度の黒字となる。さらに来期、アスガルドも含めた通期寄与によって、久しぶりの黒字転換は間違いないものとなる。
8億円以上の赤字からの浮上劇は、もうすぐそこに来ているのだ。
3社の買収前の株価となんら変わりがない、という株式市場での評価は早晩、覆るだろう。