高収益体質への転換方向も株価支援材料に
*7/10 追記
昨日は、リスク回避の売り一巡からの買戻しとは思えない程の「あからさまな下値拾い」が見て取れた。日足一目均衡表の雲下限の180円を抜いてくれば一気に上値を取って来る可能性もあるので注意してみておきたい。
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■今回の注目銘柄■
・アドバネクス(5998)
アドバネクス(5998)を有力な展開力を擁す好実態銘柄として注目したい。
大手精密ばねメーカーとして著名な存在である同社だが、今回注目したいのがナット脱落防止スプリング「ロックワン」。
2010年から日本で発売し、道路・鉄道・土木向けを中心に約70万個を売り上げた経緯があり、「ロックワン」の最大のポイントは、NAS3350(米国航空宇宙局)の規格に準拠した衝撃型振動試験機による試験をクリアしている事である。
これまでの納入実績や、厳しい規格をクリアしている点を前面に打ち出して、今年度にも海外で「ロックワン」の販売を開始する方針が明らかになっており、既に中国の高速鉄道でモニタリングが開始されているとの報道もある。
また、同社の「タングレス・コイルスレッド」は、米国航空宇宙局から認定(NAS1130)を受け数社とライセンス契約するなど、同社の技術力の高さは抜きん出たレベルと言えよう。
この展開材料に加えて、今後の高収益体質への変化期待も注目したい。
低採算だったプラスチック事業譲渡で16年3月期は減収減益の見通しながら、今後は収益・成長性が見込める事業領域に経営資源を集中する方針であり、住設・インフラ、自動車(金属)、医療を注力領域に位置付け、会社側では20年3月期に売上高350億円(16年3月期計画は198億円)、営業利益20億円(同8億8000万円)を目指す中期計画を打ち出している。
売上高営業利益率は、15年3月期実績3.6%、16年3月期計画4.4%、20年3月期計画は11.4%と、計画通りの進捗となれば、「高収益体質」への転換が明確なものとなろう。
株価は週足で高値圏での三角保ち合いを煮詰めるタイミングであり、日足では175円近辺を下値とするもみ合いで下値の固さが確認できる他、PERは13倍台と割安感があり、PBRも1倍台に乗せてきたばかり。年間配当は13年3月期の1円復配から、14年3月期2円、15年3月期3円、16年3月期は3円50銭計画と連続で増配に進む見通しとなっている。
先回り買いをしておきたい投資家にとって「仕込むには絶好のタイミング」といっても決して過言では無い事から、中長期目線で今後の動向に注目したい。
本村